社内SEを辞めたいと感じたら|理由の分け方と、残るか移るかの判断

読者の方

社内SEとして働いていますが、辞めたい気持ちが強くなっています。人気の職種だと言われるので、辞めるのはもったいない気もして迷っています。

ぼく

社内SEは外から見ると安定していますが、中で働くと特有のつらさがあります。辞めたい理由を分けると、いまの会社で変えられることと、移らないと変わらないことが見えてきますよ。

社内SEは、転職市場で人気の高い職種です。
客先に常駐せず、自社のシステムに腰を据えて関われるため、SESやSIerから移りたい人の目標にもなっています。
それでも、実際に働いてみると、雑用の多さ、評価のされにくさ、技術が身につかない不安などから、辞めたいと感じる人は少なくありません。

結論から言うと、社内SEを辞めたい理由は「仕事の中身」「評価と待遇」「人間関係と立場」「将来の不安」の4つに分けられます。
仕事の中身と立場は社内で変えられる余地がありますが、会社の規模やIT部門の位置づけから来る問題は、移らないと変わらないことが多くあります。
理由を分けてから、残るか移るかを決めてください。

この記事では、社内SEを辞めたくなる理由、辞める前に確かめたいこと、社内で状況を変える方法、辞める場合の移り先と進め方、後悔しないための判断の基準を説明します。

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目次

社内SEを辞めたいと感じる、よくある理由

まず、辞めたい気持ちの中身を整理します。
当てはまるものに印をつけながら読んでみてください。

理由の分類よくある状況社内で変えられる余地
仕事の中身パソコンの設定や問い合わせ対応など、雑用が中心になっているある。仕事の分け方や外部への委託で変えられる
評価と待遇システムが止まらないのが当たり前で、成果として見られない一部ある。成果の見せ方で変えられる
人間関係と立場現場の部署から無理な要望が来る、経営層にITが理解されない一部ある。窓口や決め方を整えると変わる
将来の不安新しい技術に触れず、市場での価値が下がる気がする小さい。会社の方針によるところが大きい

表の右の列で「ある」と書いたものが辞めたい理由の中心なら、まず社内で状況を変える方法を試す価値があります。
「小さい」ものが中心なら、会社を変えることを具体的に考えてよい段階です。

理想と現実の差が大きいほど、つらさは強くなる

社内SEに転職した人ほど、入社前に思い描いていた仕事と実際の仕事の差に戸惑うことがあります。
システムの企画や改善を担当するつもりが、実際には問い合わせ対応やパソコンの手配ばかり、ということは珍しくありません。
辞めたいと感じたら、まず入社前に期待していた仕事と、いまの仕事を並べて書き出してみてください。
差の大きい部分が、変えたい部分です。

辞めたい理由ごとに、確かめたいこと

辞めると決める前に、理由ごとに確かめておきたい点があります。

理由確かめること確かめる相手
雑用が多い雑用が自分の担当として決まっているのか、流れで引き受けているのか上司
評価されない評価の基準に、IT部門の成果がどう書かれているか上司、人事
待遇が低い同じ規模の会社の社内SEと比べて、年収がどの位置にあるか求人の条件、転職エージェント
現場との関係がつらい要望の受け付けと優先順位を決める仕組みがあるか上司、関係する部署
技術が身につかない今後のシステムの計画に、新しい技術を使う予定があるか上司、経営層

確かめた結果、会社として改善の意思があるなら、社内で状況を変えられる可能性があります。
答えがあいまいだったり、変える予定がないと言われたりした場合は、移ることを考える材料になります。

雑用ばかりでつらいときに、変えられること

社内SEの雑用は、担当が決まっていないまま「ITに詳しい人」に集まってくることで増えていきます。

仕事を書き出して分類する

1か月の仕事を、問い合わせ対応、機器の手配、システムの運用、改善の企画などに分け、それぞれの時間を記録します。

担当を決め直す相談をする

記録をもとに、雑用に使っている時間の割合を上司に示し、担当の分け方や受け付けの方法を相談します。

よくある問い合わせを減らす

手順書やよくある質問を社内で共有し、同じ質問が繰り返し来ないようにします。

外部に任せられる部分を探す

機器の手配や保守など、外部の業者に任せられる仕事を洗い出します。

雑用を減らす工夫そのものが、業務の改善の成果として評価されることもあります。
問い合わせの件数が月にどれだけ減ったかを記録しておくと、評価の面談でも示せます。

読者の方

雑用の時間を記録するなんて、考えたことがありませんでした。

ぼく

記録がないと、上司からはただ忙しそうに見えるだけです。数字があると、担当を見直す話がしやすくなりますよ。

評価されないと感じるときに、変えられること

社内SEの仕事は、システムが問題なく動いている状態が当たり前と見られやすく、成果として気づかれにくい特徴があります。

  • 障害の件数や、復旧までの時間の変化を記録している
  • 業務の改善で減った作業時間を、数字で示している
  • システムの導入や更新の成果を、利用する部署の声とあわせて報告している
  • 月に1回程度、上司にIT部門の取り組みを短く報告している

成果が見えないと、評価も待遇も上がりません。
「何も起きなかった」ことを、「何をしたから起きなかったのか」に言い換えて伝えるのがコツです。

経営層にITの価値が伝わっていない場合

会社によっては、IT部門が費用のかかる部署としか見られていないことがあります。
その場合は、システムの改善が売上や作業時間の削減にどうつながったかを、経営層が気にする言葉で伝える工夫が必要です。
それでも投資や評価の考え方が変わらない会社では、社内SEとしての成長にも限界があります。

評価の面談で、伝えておきたいこと

面談では、半年間に取り組んだことを3つほどに絞り、それぞれの成果と、次の半年に取り組みたいことをセットで伝えます。
あわせて、自分の役割に対して会社が何を期待しているのかを確認しておくと、次の評価で何を示せばよいかがはっきりします。

現場の部署との関係がつらいときに、変えられること

社内SEは、社内のさまざまな部署から要望を受けます。
窓口や優先順位の決め方がないと、声の大きい人の依頼に振り回されてしまいます。

  1. 要望は決まった方法で受け付ける
  2. 優先順位を決める基準を、上司と合意しておく
  3. 対応できない依頼は、理由と代わりの案を添えて返す
  4. 大きな要望は、関係する部署の責任者を交えて決める

1つ目だけでも効果があります。
口頭や個人のチャットで直接来る依頼を、共有の受け付けの窓口に集めると、依頼の量と中身が見えるようになり、断るときにも個人の判断ではなくなります。

1つでも当てはまるなら、一度相談しておくと安心です

  • 今の年収が、同じスキルの人より低い気がする
  • 新しい技術を学んでも、業務で使う機会がない
  • 転職したいが、何から始めればいいか分からない
  • 自分の市場価値を一度知っておきたい

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将来の不安が理由のときに、考えたいこと

社内SEを辞めたい理由として、新しい技術に触れない、転職市場での価値が下がる気がする、という不安を挙げる人は多くいます。

状況将来への影響打てる手
古いシステムの運用が中心新しい技術の経験が増えにくい更新の計画に関わる、自分で学ぶ
外部の業者に任せる部分が多い自分で作る経験が減る業者の管理や要件の整理の経験を積む
一人か少人数のIT部門幅広い経験は積めるが、深さが出にくい得意な分野を1つ決めて深める

社内SEの経験は、技術の深さでは評価されにくくても、業務の理解、要件の整理、業者の管理といった面で評価されます。
自分の経験がどちらの方向で強みになるかを確かめると、将来の不安の見え方が変わります。

一人で担当している社内SEが、辞めたくなるとき

中小企業では、社内SEが一人か二人しかいないことがよくあります。
この場合、仕事の幅が広く、休みを取りにくく、相談できる相手もいないため、辞めたい気持ちが強くなりやすい状況です。

一人で担当している場合は、まず自分が抱えている仕事を一覧にし、止まったときの影響が大きい順に並べてください。
影響が大きいものから手順書を作り、外部の保守業者と契約できる部分がないかを上司と相談します。
自分が休んでも会社が困らない状態に近づけることは、辞めるかどうかにかかわらず、自分の負担を減らす一番の方法です。

読者の方

まさに一人で全部見ています。休みの日も電話が気になります。

ぼく

その状態が長く続くのは、会社にとっても危うい状態です。体制の見直しを求めるのは、わがままではなく会社を守るための提案ですよ。

体制の見直しを求めるときの伝え方

上司に相談するときは、「つらい」だけでなく、会社にとってのリスクとして伝えると話が通りやすくなります。
たとえば、「自分が病気で1週間休んだ場合、給与の計算や受注のシステムが止まったときに対応できる人がいません」のように、具体的な業務と影響を示してください。
そのうえで、手順書の整備、外部の業者との保守契約、もう一人の担当者の育成など、解決の案を添えると前向きな話し合いになります。

辞めたほうがよいサイン

社内で状況を変える努力をしても、次のような状態が続くなら、辞めることを具体的に考えてよい段階です。

  • 相談しても、仕事の分け方や評価の仕組みが変わらない
  • IT部門への投資や増員の予定がまったくない
  • 同じ規模の会社の社内SEと比べて、年収が明らかに低い
  • 体調を崩している、休日も仕事のことが頭から離れない
  • 1年後の自分の仕事が、いまと何も変わらないと感じる

体調を崩している場合は、辞めるかどうかの判断の前に、休むことと医療機関への相談を優先してください。

辞めるか迷うときの、判断の順番

辞めるかどうか迷っているときは、次の順番で考えると、感情に流されずに判断できます。

理由を書き出す

辞めたい理由を4つの分類に分け、いちばん大きいものを1つ選びます。

社内で試す

いちばん大きい理由について、上司への相談や仕事の見直しなど、社内でできることを1つ試します。

期限を決めて様子を見る

3か月から半年の期限を決め、状況が変わるかを確かめます。

外の条件を調べる

並行して、求人の条件や自分の経験の評価を調べておきます。

残るか移るかを決める

期限が来たら、社内の変化と外の条件を比べて決めます。

社内で試したことは、転職の面接で「なぜ辞めるのか」を説明するときにも役立ちます。
改善のために動いたうえで移る判断をした、という流れは、前向きな転職の理由として伝わります。

辞める場合の、主な移り先

社内SEの経験は、いくつかの職種で活かせます。

移り先活かせる経験向いている人
別の会社の社内SE業務の理解、運用、業者の管理社内SEの働き方は続けたい人
SIer要件の整理、システムの導入の経験さまざまな会社のシステムに関わりたい人
ITコンサル業務の課題を整理し、改善した経験企画や提案に関わりたい人
自社開発の企業業務システムの知識と開発の経験技術を深めたい人

別の会社の社内SEに移る場合は、IT部門の人数、担当の範囲、IT投資の方針を必ず確認してください。
同じ社内SEでも、会社によって仕事の中身は大きく違います。

同じ悩みを繰り返さないための、面接での確認

社内SEへの転職では、面接で次のことを聞いておくと、入社後の差を小さくできます。
IT部門の人数と、それぞれの担当の分け方。
問い合わせ対応や機器の手配を誰が担当しているか。
今後1〜2年のシステムの計画と予算の考え方。
IT部門の成果を、会社がどう評価しているか。
答えが具体的な会社ほど、IT部門が組織として位置づけられていると考えられます。

辞める前にやっておきたい準備

勢いで辞めると、次の職場で同じ悩みを繰り返すことがあります。

  1. 辞めたい理由を、表の4つに分けて書き出す
  2. 担当したシステム、改善の成果、関わった業者を一覧にする
  3. 次の職場に求める条件を、優先順位をつけて3つに絞る
  4. 在職中に、求人の条件や相場を調べる
  5. 引き継ぎに必要な資料をまとめ始める

社内SEは、一人しか分からない仕事を抱えていることが多い職種です。
辞めると決めたら、引き継ぎの資料を早めに整えておくと、退職の話も進めやすくなり、円満に辞められます。

社内SEの経験を、職務経歴書でどう伝えるか

社内SEの仕事は幅が広いぶん、職務経歴書に書くと「何でもやっていた」という印象になりがちです。
移り先で評価されるには、経験を分けて、成果と一緒に書くことが大切です。

  • 担当したシステムの種類と、利用者の人数を書く
  • 導入や更新に関わった案件は、自分の役割と期間を書く
  • 業者の選定や管理の経験は、件数や予算の規模を書く
  • 業務の改善は、減った作業時間や問い合わせの件数で示す
  • 障害の対応は、復旧までの時間や再発を防いだ工夫を書く

たとえば「社内の問い合わせ対応を担当」では、何をしたのかが伝わりません。
「約200人の社員からの問い合わせを受け、よくある質問を整備して月の問い合わせを3割減らした」と書きます。
同じ経験でも、伝わり方が大きく変わります。
数字が手元にない場合は、在職中に記録を集めておきましょう。

辞めるときに、気をつけたいこと

社内SEは、会社のシステムの事情を一番よく知る立場です。
辞めるときの進め方しだいで、最後の印象も、次の職場での評判も変わります。

退職を伝えるのは、次の職場が決まり、入社日の目安が立ってからにしましょう。
伝える時期は、就業規則の定めを確認したうえで、引き継ぎの期間を考えて1〜2か月前が目安です。
管理者の権限やパスワードの管理、業者との契約の窓口など、自分しか分からないことは一覧にして、後任や上司に確実に渡してください。
引き継ぎを丁寧に行うことは、同じ業界で働き続けるうえでの信用にもつながります。

よくある質問

社内SEを辞めるのはもったいないですか

人気の職種ですが、会社によって仕事の中身は大きく違います。
辞めたい理由が会社の方針から来ているなら、移ることは十分に合理的な判断です。

社内SEから社内SEに転職しても同じになりませんか

IT部門の人数、担当の範囲、IT投資の方針を確認すれば、同じ悩みを繰り返す可能性を減らせます。

社内SEの経験は転職で評価されますか

業務の理解、要件の整理、業者の管理、改善の成果は評価されます。
数字を入れて説明できるように準備しましょう。

雑用ばかりで技術が身につきません

仕事を記録して担当の見直しを相談し、自分でも得意な分野を1つ決めて学ぶことをおすすめします。

辞めたいと上司に相談してもいいですか

辞める前提でなくても、仕事の分け方や評価の悩みとして相談するのは有効です。
改善の意思があるかを確かめる機会にもなります。

まとめ

社内SEを辞めたい気持ちは、理由を分けることで、変えられる部分と移らないと変わらない部分に整理できます。

  • 辞めたい理由を、仕事の中身・評価と待遇・人間関係と立場・将来の不安に分ける
  • 雑用は記録して、担当の分け方を相談する
  • 成果は数字にして、定期的に報告する
  • 会社の方針が変わらないなら、移ることを考える
  • 移る前に、次の職場のIT部門の体制を確認する

まずは、辞めたい理由を書き出して、社内で変えられるものと変えられないものに分けるところから始めてください。
そこから、残るか移るかの答えが見えてきます。

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