コンサルの資料作成に疲れたら|作り直しを減らす進め方と、負担の軽くし方

読者の方

コンサルとして働いていますが、毎日資料の作成と修正ばかりで疲れ果てています。夜中まで直しても、翌朝また全部やり直しになることもあります。

ぼく

コンサルの資料作成の疲れは、作業の量より、作り直しの多さから来ていることがほとんどです。作り直しが起きる理由を分けると、負担を大きく減らせますよ。

コンサルタントの仕事の多くは、資料を通じて顧客に考えを伝えることです。そのため、資料の作成には多くの時間が使われます。しかし、何度も修正が入る、方向が変わって最初から作り直しになる、見た目の細かな調整に追われるといった状態が続くと、「資料が終わらない」「もう疲れた」と感じてしまいます。

結論から言うと、コンサルが資料作成に疲れる原因は「作る前に方向を合わせていない」「伝えたいことが決まっていない」「見た目の調整に時間を使いすぎる」「一人で抱え込む」の4つです。作る前に結論と構成を上司と合わせ、1枚に1つの主張を書き、型とテンプレートで見た目の作業を減らすことで、作り直しと疲れは大きく減らせます。

この記事では、資料作成で疲れる理由、作り直しを減らす進め方、作業の時間を短くする工夫、上司の修正への向き合い方、そして疲れが限界に近いときの対処を説明します。

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目次

コンサルが資料作成で疲れる、4つの理由

まず、疲れの原因を整理します。

理由よくある状況減らす方向
方向を合わせていない作り込んだ後に、上司から「そもそも違う」と言われる作る前に、結論と構成を合わせる
伝えたいことが決まっていない情報を詰め込み、何が言いたいか分からないと言われる1枚に1つの主張を決めてから作る
見た目の調整に時間を使う図の位置や文字の大きさの調整に、何時間もかかる型とテンプレートを使う
一人で抱え込む分からないまま進め、締め切りの直前に大きな修正が入る途中で早めに見せる

4つとも、作業の量そのものではなく、進め方の問題です。進め方を変えるだけで、同じ資料でも作る時間と疲れは大きく変わります。

作り直しが、疲れのいちばんの原因

資料作成の疲れの多くは、一度作ったものを直す、捨てて作り直す、という手戻りから生まれます。最初から完成度の高い資料を作ろうとするほど、方向がずれたときの手戻りは大きくなります。疲れを減らすには、作業を速くするより、手戻りを減らすことを先に考えてください。

まずは、最近作り直しになった資料を1つ思い出し、どの理由が原因だったかを考えてみてください。

資料が終わらない日の、よくある流れ

資料作成で疲れ果てる日には、よくある流れがあります。自分の1日と比べてみてください。

  • 依頼を受けて、すぐにパソコンで資料を作り始める
  • 調べた情報をすべて資料に入れようとして、ページが増えていく
  • 夕方に初めて上司に見せ、方向が違うと言われる
  • 夜に大きく作り直し、見た目の調整まで同時に進める
  • 翌朝、再び修正が入り、同じことを繰り返す

この流れの問題は、最初の一歩にあります。パソコンに向かう前に、紙やメモに結論と構成を書き、上司と合わせる時間を取るだけで、夜の作り直しはほとんどなくなります。

依頼を受けたときに、確認したい4つのこと

依頼を受けたら、その場で「誰に見せる資料か」「何を判断してもらうための資料か」「いつまでに必要か」「分量の目安はどのくらいか」の4つを確認してください。この4つがあいまいなまま作り始めることが、作り直しの大きな原因になっています。

作る前に、結論と構成を合わせる

作り直しを減らすいちばん効果的な方法は、作り始める前に方向を合わせることです。

資料の目的を確かめる

誰が読んで、何を判断するための資料なのかを確認します。

結論を一文で書く

資料全体で伝えたい結論を、一文にまとめます。

見出しだけの構成を作る

各ページの見出しに、そのページで言いたいことを書き、並べます。

上司に見せて合わせる

中身を作る前に、結論と見出しの並びを上司に見てもらいます。

合意した構成で中身を作る

方向が合ってから、図や表、数字を入れていきます。

見出しだけの構成なら、15分ほどで作れます。この15分で方向を合わせておくと、何時間もかけて作った資料を捨てることがなくなります。

読者の方

いつも全部作ってから見せていました。

ぼく

そこを変えるだけで、作り直しはぐっと減りますよ。見出しの段階で見せるのは、手抜きではなく、コンサルの基本の進め方です。

構成の段階で上司が忙しい場合は、見出しの並びをチャットで送り、「この流れで進めてよいか、一言だけください」と頼む方法もあります。

1枚に1つの主張を、書く

伝えたいことが決まっていない資料は、何度直しても「分かりにくい」と言われます。

  1. 各ページの見出しに、そのページの結論を文章で書く
  2. 1枚には、1つの主張だけを載せる
  3. 本文や図は、見出しの主張を支える根拠だけにする
  4. 主張に関係のない情報は、別のページか付録に回す
  5. 全ページの見出しだけを読んで、話の流れが分かるかを確かめる

5つ目の確認は、資料の質を上げる強力な方法です。見出しだけを順に読んで、結論までの流れがつながっていれば、資料の骨組みはできています。つながらない場合は、中身を直す前に、見出しの並びを直してください。

見出しは「売上の分析」のような名詞ではなく、「売上の減少は、既存の顧客の離脱が主な原因」のように、言いたいことを文章で書くのがポイントです。

文章は、短く言い切る

資料の文章は、長い説明より、短く言い切るほうが伝わります。1文は40字ほどを目安にし、「〜と考えられる可能性があります」のような回りくどい表現は、「〜と考えます」と言い切ります。短く書けるようになると、作成の時間も読む人の負担も減ります。

見た目の作業の時間を、減らす

図の位置や色、文字の大きさの調整に時間を取られると、疲れが増すばかりです。

  • 会社や案件のテンプレートを使い、一から作らない
  • よく使う図や表の型を、自分用にためておく
  • 色や文字の大きさの決まりを、最初に決めておく
  • 見た目の調整は、中身が固まってから最後にまとめて行う
  • 細かな調整に時間をかけすぎていないか、時間を区切って確認する

見た目の調整を最後に回すだけで、中身の修正のたびに調整をやり直す無駄がなくなります。中身が固まる前の見た目の作業は、ほとんどが作り直しになると考えてください。

作業を速くする、パソコンの工夫

よく使う操作のショートカットキーを覚える、図形の配置をそろえる機能を使う、よく使うページを保存しておいて使い回す、といった工夫でも、作業の時間は減らせます。1日に数分の短縮でも、毎日続けば大きな差になります。

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途中で、早めに見せる

一人で抱え込んで締め切りの直前に見せると、大きな修正が入ったときに、徹夜で直すことになります。

見せる段階見てもらうこと防げる手戻り
構成の段階結論と見出しの並び方向の違いによる、全体の作り直し
3割の段階主要なページの見せ方と、根拠の集め方分析や図の作り直し
7割の段階中身の抜けと、伝わりやすさ締め切り直前の大きな修正
最終の段階表現と見た目の最終の確認細かな修正だけで済む

見せる回数が増えると、上司の時間を取るのが申し訳なく感じるかもしれません。しかし、早い段階での短い確認は、締め切りの直前の長い修正より、上司にとっても負担が小さいものです。

見せるときは、確認してほしい点を伝える

途中の資料を見せるときは、「今回は構成の流れを見てください」「この図の見せ方で伝わるかを確認したいです」のように、確認してほしい点を最初に伝えると、上司も短い時間で的確に助言できます。見てほしい点が伝わっていないと、まだ手をつけていない部分まで指摘され、かえって手間が増えることがあります。

根拠のデータ集めに、時間を取られないために

資料の中身を支えるデータ集めにも、多くの時間がかかります。集め方を工夫すると、負担を減らせます。

  1. 主張を先に決め、それを確かめるのに必要なデータだけを集める
  2. 集める前に、どこにデータがありそうかを先輩に聞く
  3. 完璧なデータがない場合は、仮の数字と前提を明記して進める
  4. 集めたデータと出典を、一覧で管理しておく
  5. 時間を区切り、決めた時間を過ぎたら上司に相談する

データを集めてから主張を考えようとすると、集める範囲が広がり続けて終わりません。「この主張を確かめるには、このデータが必要」という順番で考えると、集めるものが絞られます。

読者の方

データを集めているうちに、何をしたかったのか分からなくなることがあります。

ぼく

それはよくあることです。先に主張を一文で書いておくと、迷ったときに立ち返れますよ。

集めたデータの一覧は、次の案件でも使えることがあるので、案件が終わった後も整理して残しておきましょう。

上司の修正に、疲れすぎないために

上司からの修正が多いと、自分が否定されているように感じて、疲れが大きくなります。

  1. 修正は、資料をよくするためのもので、自分の否定ではないと考える
  2. 修正の指摘を一覧にして、傾向をつかむ
  3. 同じ指摘を受けないよう、次の資料を出す前に一覧を見返す
  4. 指摘の意図が分からないときは、その場で理由を聞く
  5. 修正の方向が途中で変わったときは、変わった理由を確認する

2つ目と3つ目は、疲れを減らすうえで特に効果があります。上司の指摘には、多くの場合、繰り返し現れる癖があります。一覧にして見返すだけで、同じ修正の回数は目に見えて減っていきます。

修正の優先順位を、確かめる

修正の指摘が多いときは、すべてを同じ重さで直そうとせず、「どの修正が特に大切ですか」と確認しましょう。締め切りまでの時間が限られている場合は、結論に関わる修正を先に行い、表現の細かな修正は後に回すことで、限られた時間で資料の質を上げられます。

資料作成の力を、少しずつ伸ばす

資料作成の疲れを減らすには、進め方の工夫に加えて、資料を作る力そのものを伸ばすことも大切です。

伸ばしたい力練習の方法
結論から考える力日々の報告を、結論、理由、次の行動の順で書く
構成を作る力評価されている先輩の資料の見出しだけを書き出し、流れを学ぶ
図や表で伝える力よく使う図の型を集め、どんな場面で使うかを整理する
短く書く力書いた文章を、半分の長さに削る練習をする

力が伸びるほど、最初の構成で合意できる確率が上がり、作り直しの回数も減っていきます。疲れを減らす工夫と、力を伸ばす練習を、並行して続けてみてください。

チームで、資料作成の負担を分ける

資料作成を一人で抱え込むと、締め切りの前に負担が集中します。チームで分担する工夫をしましょう。

  1. 資料の構成が決まった段階で、ページごとの担当を決める
  2. 見た目の決まりを最初に共有し、まとめるときの調整を減らす
  3. データ集めや図の作成など、分けやすい作業を切り出して頼む
  4. 自分が得意な作業は、チームのために引き受ける
  5. 締め切りの前日ではなく、余裕を持ってまとめの時間を取る

頼むことに気が引ける人もいるかもしれませんが、作業を分けることはチーム全体の効率を上げます。自分が得意な作業を引き受ければ、お互いさまの関係を作れます。

後輩に作業を頼むときの伝え方

後輩に図の作成やデータ集めを頼むときは、そのページで言いたい結論、使うデータの範囲、期限、完成の見本を伝えてください。目的が伝わっていると、頼んだ作業の手戻りが減り、後輩の成長にもつながります。

疲れが限界に近いときの、対処

資料作成の疲れが続き、心身に影響が出ている場合は、進め方の工夫より先に、自分を守ることを優先してください。

  • 睡眠の時間が、慢性的に足りていない
  • 休みの日も、資料のことが頭から離れない
  • 資料を開くと、強い不安や動悸を感じる
  • 食欲がない、気持ちが沈む状態が2週間以上続く

当てはまる項目がある場合は、上司に業務の量の調整を相談し、医療機関の受診も考えてください。資料は、健康を削ってまで作るものではありません。

長時間労働が続く場合は、会社の労働時間の管理の担当や、人事に相談してください。

休むことに、罪悪感を持たない

締め切りに追われていると、休むことに罪悪感を覚えがちです。しかし、睡眠が足りない状態では考える力が落ち、資料の質も下がって、かえって修正が増えます。しっかり休むことは、よい資料を作るための準備の一部だと考えてください。

資料作成に追われない、1週間の使い方

資料作成の疲れを減らすには、1週間の時間の使い方を見直すことも効果的です。

週の初めに、その週に必要な資料と締め切りを書き出し、それぞれ構成を合わせる日、途中で見せる日、仕上げる日を先に決めておきます。午前中など集中しやすい時間は、結論や構成を考える仕事に使い、見た目の調整やデータの整理は、集中が落ちる時間帯に回します。

締め切りから逆算して見せる日を決めておくと、直前の大きな修正を防げます。予定どおりに進まない日があっても、どこで遅れているかがすぐに分かるため、早めに上司に相談できます。

資料作成が好きになれないときの、考え方

工夫を続けても、資料作成そのものに強い苦痛を感じる人もいます。コンサルの仕事では資料を避けて通ることはできませんが、会社や役割によって、資料作成の比重は違います。

たとえば、システムの導入の支援やプロジェクトの管理が中心の役割では、資料の作成より、関係者との調整や実行の管理に多くの時間を使います。事業会社の企画やIT部門では、社内向けの簡潔な資料で済むことも多くあります。資料作成の負担が、仕事を続けるうえで大きな壁になっている場合は、自分の強みを活かせる役割や職場を考えることも、前向きな選択肢です。

よくある質問

コンサルの資料作成はなぜこんなに疲れるのですか

作業の量より、方向のずれによる作り直しや、見た目の調整の繰り返しが、疲れの大きな原因になっています。

作り直しを減らすにはどうすればいいですか

作り始める前に、結論と見出しの構成を上司と合わせることが、最も効果の大きい方法です。

資料が分かりにくいと言われます

各ページの見出しに結論を文章で書き、1枚に1つの主張だけを載せると、伝わりやすくなります。

見た目の調整に時間がかかりすぎます

テンプレートと図の型を使い、見た目の調整は中身が固まった後にまとめて行ってください。

疲れて限界です

睡眠や体調に影響が出ている場合は、上司に業務の量の調整を相談し、医療機関の受診も考えてください。

まとめ

コンサルの資料作成の疲れは、進め方を変えることで大きく減らせます。

  • 疲れの原因を、方向のずれ・主張のなさ・見た目の作業・抱え込みの4つに分ける
  • 作る前に、結論と見出しの構成を上司と合わせる
  • 見出しに結論を書き、1枚に1つの主張にする
  • 見た目の調整は、中身が固まってから最後に行う
  • 構成、3割、7割の段階で、早めに見せる

まずは、次に作る資料の結論を一文で書き、見出しだけの構成を作って上司に見せるところから始めてください。その15分が、何時間もの作り直しを減らしてくれます。

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