読者の方5年やっても年収が400万円前後です。SEの給料って、こんなものなんでしょうか。



職種の相場ではなく、いまの立ち位置の相場です。場所を変えると、同じ経験でも金額が変わりますよ。
SEの給料が安い。この悩みの原因は、能力でも努力の量でもありません。単価がどこで決まり、そのうち何割が自分に届くかという仕組みが、年収のほとんどを決めています。
結論から言うと、給料を上げるには「商流の上に行く」か「担当する工程を上げる」かの二択です。同じ実装作業を続ける限り、勤続年数が増えても大きくは変わりません。
この記事では、SEの給料が安くなる仕組み、立場ごとの年収の目安、いまの会社で上げる方法、そして転職で上げる方法を順に説明します。
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給料が安くなる仕組みは、単価の流れにある
受注した金額は、会社をまたぐたびに減っていきます。これが、同じ仕事でも年収が変わる最大の理由です。
| 立場 | 顧客が払う金額の行方 | 年収の目安 |
|---|---|---|
| 元請け | そのまま自社の売上になる | 450万〜700万円 |
| 二次請け | 元請けの取り分を引いた残り | 400万〜600万円 |
| 三次請け以下 | さらに中間の取り分を引いた残り | 350万〜500万円 |
三次請けの現場では、顧客が月100万円払っていても、会社に入るのは60万円前後ということがあります。そこから会社の経費と利益を引いた残りが、給与の原資です。個人の評価でどうにかできる幅は限られます。
だからこそ、給料を上げたいときは、まず自分がどの位置にいるかを確かめる必要があります。客先常駐の仕組みを理解しておくと、この構造がはっきりします。
評価されても給料が上がらない理由
下請けの現場では、評価する人と、給与を決める人が別です。常駐先で高く評価されても、その情報が自社の人事に届かないことは珍しくありません。がんばりが評価に反映されない構造が、そのまま年収に表れます。
さらに、契約の単価は年度ごとに決まります。途中で成果を上げても、次の更新まで反映されません。この時間差も、実感が湧かない原因です。



努力が足りないのではなく、評価が届く経路がないだけ、ということが本当に多いです。
工程で変わる、年収の伸び方
同じ会社の中でも、担当する工程によって年収の上がり方は変わります。
| 担当する工程 | 求められること | 年収の伸び方 |
|---|---|---|
| テストと修正 | 決められた手順どおりに進める | 伸びにくい |
| 実装 | 設計どおりに作る速さと正確さ | ある程度で頭打ち |
| 設計 | 仕様を決め、影響を判断する | 伸びやすい |
| 要件定義 | 顧客の要望を形にする | 大きく伸びる |
| 提案 | 課題を整理し、金額を決める | 最も伸びる |
上に行くほど、代わりが少なくなります。人数が多い工程ほど単価は下がり、判断を伴う工程ほど単価が上がる。これが業界の基本的な仕組みです。
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いまの会社で給料を上げる方法
転職せずに上げる道もあります。効果が出やすい順に挙げます。
- 要件定義や設計に関わらせてもらう
- 業務知識で社内の相談役になる
- 資格を取り、手当と単価交渉の材料にする
- 常駐から自社案件へ移る
- 評価の記録を、自分から提出する
5つ目は見落とされがちです。常駐先での成果は自社に伝わりません。月報や面談のときに、担当した範囲と成果を自分から文章で出しておくと、評価の材料になります。
3つ目の資格は、会社によって手当の額が違います。基本情報や応用情報で月数千円という会社もあれば、上位の資格で単価が上がる会社もあります。まず自社の制度を確認してください。
担当した案件の規模、期間、役割を書き出します。
同じ経験の求人が、いくらで募集されているかを調べます。
上げてほしい金額と、その根拠を一緒に伝えます。
相場を知らないまま交渉しても、話は進みません。求人を見て「同じ経験で月あたりいくらの募集があるか」を把握しておくと、根拠のある話ができます。
転職で上げる場合の、現実的な上がり幅
転職で年収を上げる人は多いですが、上がり幅は移り方で決まります。
| 移り方 | 上がり幅の目安 | 理由 |
|---|---|---|
| 同じ立場で会社を変える | 0〜50万円 | 相場の範囲で調整される |
| 下請けから元請けへ | 50万〜150万円 | 単価の決まり方が変わる |
| 社内SEへ移る | マイナス50万〜プラス50万円 | 残業が減る分、総額が下がることも |
| ITコンサルへ移る | 100万〜300万円 | 成果と提案が金額に直結する |
大きく上げたい場合は、上流の職種へ移るのが最短です。ITコンサル転職に強い転職エージェントのまとめで、求人の年収レンジを確認してみてください。
一方で、働き方も守りたい場合は、元請けの会社へ移るのが現実的です。SE転職に強い転職エージェントのまとめから、自社開発や元請け中心の会社を紹介してもらうと比較が早くなります。
年収が上がっても、残業が増えれば時間あたりの金額は下がります。提示された金額に、みなし残業が何時間含まれているかを必ず確認してください。
給料を上げるために、経歴に書いておきたいこと
年収の交渉で効くのは、技術の名前ではなく、任されていた範囲です。
- 担当した工程(要件定義、設計、実装、テスト)
- 案件の規模(金額、期間、人数)
- 自分が決めていたこと
- 顧客とのやりとりの有無
- 障害対応や改善で出した成果
3つ目が特に重要です。仕様の優先順位を決めていた、見積もりを出していた、といった内容は、そのまま単価の根拠になります。
数字が出せない場合は、状況を具体的に書けば十分です。仕様変更が多かった案件で納期を守ったといった説明も、評価の材料になります。
それでも上がらない会社の見分け方
次のような会社では、何年いても給料は大きく変わりません。
- 給与の改定が、年功だけで決まっている
- 評価の基準が公開されていない
- 常駐が中心で、自社の案件がほとんどない
- 昇給額が毎年一律で、金額が小さい
- 単価を教えてもらえない
5つ目は判断材料として有効です。自分がいくらで契約されているかを聞いて、はぐらかされる会社では、交渉の土台がありません。



単価って、聞いてもいいんですか。



聞いて構いません。答えられる会社ほど、評価の仕組みもはっきりしていますよ。
年収が上がった人に共通する3つの動き
同じ年数を働いても、年収に差がつくのはなぜか。上がった人を見ていくと、動き方に共通点があります。才能ではなく、選び方の違いです。
- 担当したい工程を、自分から希望として伝えている
- 業務知識を深め、相談される立場を作っている
- 定期的に求人を見て、相場を把握している
1つ目は、待っていても回ってこない部分です。要件定義に関わりたいと伝えていた人は、機会が来たときに指名されます。伝えていない人は、実装の担当として計算されたままになります。
3つ目は、交渉の土台になります。相場を知らないと、提示された金額が高いのか低いのか判断できません。年に一度でも求人を眺めておくと、自分の立ち位置が分かります。



転職するつもりがなくても、求人を見ていいんですか。



むしろ見るべきです。いまの会社に残る判断も、相場を知ってこそ納得できます。
資格と副業は、年収にどう効くか
年収を上げる方法として、資格や副業を考える人は多いです。効果はありますが、効き方には差があります。
| 方法 | 短期の効果 | 長期の効果 |
|---|---|---|
| 基本情報や応用情報 | 手当が数千円つく会社もある | 転職時の書類で有利になる |
| 高度区分の資格 | 単価の交渉材料になる | 上流の仕事につながる |
| ベンダーの資格 | 案件によっては必須 | 技術の証明になる |
| 副業での開発 | 収入が直接増える | 実績として説明できる |
資格だけで年収が大きく変わることはまれです。ただし、担当したい工程に近い資格を取ると、希望を伝えるときの説得力が増します。手当の有無は会社ごとに違うので、まず自社の制度を確認してください。
副業は、就業規則で禁止されている場合があります。始める前に必ず確認し、本業に影響が出ない範囲で行ってください。
年収交渉は、いつ、どう切り出すか
交渉のタイミングを外すと、同じ内容でも通りません。効果的なのは、評価の面談の前と、案件の区切りです。
担当した工程、規模、成果を1枚にまとめます。
同じ経験の求人が、いくらで募集されているかを確認します。
いまの金額と、希望の金額を具体的な数字にします。
不満ではなく、今後任されたい役割と合わせて話します。
半年変わらないなら、外の選択肢を検討します。
交渉が通らなかった場合も、無駄にはなりません。会社がどこまで出せるのかが分かるため、転職するかどうかの判断材料になります。
同じ経験でも、会社によって金額が違う理由
求人を見比べると、同じような経験を求めているのに、提示額が100万円以上違うことがあります。理由は、その会社が顧客から受け取っている金額の違いです。
元請けや自社開発の会社は、顧客と直接契約しているため、中間の取り分がありません。一方、下請けの会社は、間に入る会社の数だけ取り分が減ります。同じ人が同じ仕事をしても、受け取れる金額の上限が違うのです。
だからこそ、年収を上げたいときは、自分の頑張りより先に、どの立場の会社にいるかを見直す必要があります。転職で一気に上がる人は、ここを変えています。
年収を上げたあとに、気をつけたいこと
年収が上がると、求められる成果も上がります。特に上流の職種では、時間ではなく結果で評価されるため、働き方の感覚を切り替える必要があります。
- 求められる成果の基準を、入社時に確認する
- 繁忙の波の大きさを、面接で聞いておく
- 評価の周期と、上がり方の仕組みを確認する
- みなし残業の時間数を確認する
- 試用期間中の条件が、本採用と違わないか確認する
上がり幅が大きい求人ほど、求められることも大きくなります。金額だけでなく、その金額の根拠まで聞いておくと、入社後のずれが減ります。
昇給の仕組みを知らないまま働かない
年収が上がらない理由の一つに、昇給の仕組みを知らないことがあります。制度を知れば、何をすれば上がるのかが分かります。
- 等級の一覧と、それぞれの年収の幅
- 昇格の条件(評価、資格、年数のどれか)
- 評価の期間と、誰が決めているか
- 専門職として上がる道があるか
- 直近3年の昇給の実績
4つ目がない会社では、管理職にならない限り頭打ちになります。技術を続けたい人にとっては、重要な確認事項です。
制度を確認したうえで、上限が相場より低いと分かったなら、社内でできることには限界があります。その時点で外を見る判断は妥当です。
評価面談で伝えるべきこと
面談の時間は短く、準備していないと何も伝わりません。話す内容を決めておいてください。
伝えるのは3点です。担当した案件と、そこで自分が決めていたこと。数字で示せる成果。そして、次に任されたい役割です。
3つ目を言わない人が多いのですが、ここが次の配置に影響します。要件定義に関わりたい、提案に同席したい、と伝えておくと、機会が来たときに候補に挙がります。
常駐している場合は、現場での成果が自社に伝わっていない前提で話してください。何をしたのかを、事実として並べることから始めます。
単価を知ると、動き方が変わる
自分がいくらで契約されているかを知ると、年収の妥当性が判断できます。聞いてよい情報です。
たとえば、月の単価が70万円で、年収が420万円なら、会社の取り分は4割ほどです。この割合が妥当かどうかは、会社の規模や提供している支援によって変わります。
問題なのは、聞いても答えてもらえない場合です。評価の根拠が示されない会社では、交渉の土台がありません。移ることも含めて検討してください。
年収を上げる前に、支出と時間も見直す
手取りを増やす方法は、年収を上げることだけではありません。時間あたりの金額を意識すると、判断が変わります。
たとえば、年収が同じでも残業が月40時間減れば、時間あたりの金額は大きく上がります。空いた時間を学習に使えば、次の年収にもつながります。
また、通勤時間も見えないコストです。片道1時間の差は、1か月で40時間になります。年収の数十万円の差より、生活への影響が大きいこともあります。
求人を比べるときは、年収、残業、通勤時間の3つを並べて書き出してください。金額だけを見ていると、判断を誤ります。
転職後に年収を落とさないための確認
提示された年収が高くても、内訳を見ないと実際の手取りは分かりません。確認する項目を挙げます。
- みなし残業の時間数と、超過分の支払い
- 賞与が固定か、業績連動か
- 昇給の時期と、平均の上がり幅
- 手当(住宅、家族、資格)の有無
- 試用期間中の条件
2つ目は、提示額の見え方を大きく変えます。業績連動の賞与が年収に含まれている場合、実際の支給額が想定より少ないことがあります。
これらは、労働条件通知書で確認できます。口頭の説明だけで判断しないでください。
昇給を待つか、動くかの判断
いまの会社で上がるのを待つか、外に出るかで迷う人は多くいます。判断の材料は2つです。
ひとつは、制度の上限です。等級ごとの年収の幅を確認し、自分が到達できる金額が相場と比べてどうかを見ます。上限が相場より低ければ、待っても届きません。
もうひとつは、上がるまでの年数です。次の等級に上がるのに3年かかるなら、その3年で市場価値がどれだけ増えるかも一緒に考えてください。
待つ判断も、動く判断も、数字を並べたうえで決めれば納得できます。感覚で決めると、どちらを選んでも不満が残ります。
同じ仕事でも、単価が上がる人の特徴
現場での動き方によって、次の契約で単価が上がる人がいます。共通しているのは、頼まれていないことを少しだけ引き受けている点です。
たとえば、手順書を整えた、確認の仕組みを作った、新人の質問に答えた。どれも契約書には書かれていませんが、現場の負担を減らす行動です。こうした人は、次も来てほしいと言われます。
指名が入ると、会社は単価を上げやすくなります。評価は現場での信用から始まると考えておくと、動き方も変わります。
よくある質問
- SEの平均年収はどのくらいですか
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全体では500万円前後ですが、商流と工程で大きく差が出ます。下請けの実装中心では400万円前後にとどまることが多いです。
- 資格を取れば年収は上がりますか
-
手当がつく会社では上がります。ただ、資格より担当した工程のほうが金額への影響は大きいです。
- 年収交渉はしてもいいのですか
-
構いません。根拠として、担当した範囲と相場を用意してください。
- 30代で年収が伸びていません。手遅れですか
-
手遅れではありません。要件定義や設計の経験を作れば、伸びる余地は十分あります。
- 転職すると必ず上がりますか
-
移り方によります。同じ商流の同じ工程では、大きくは変わりません。
まとめ
給料の安さは、能力ではなく仕組みが決めています。
- 単価は商流で決まり、下に行くほど手元に残らない
- 担当する工程が上がるほど、単価も上がる
- 常駐先の評価は、自分から自社に伝える
- 転職で大きく上げるなら、元請けか上流の職種へ
- 提示額は、みなし残業を含めて確認する
同じ経験でも、どこで働くかで金額は変わります。まずは、自分の経験がいまいくらで募集されているかを確かめるところから始めてください。
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