読者の方SEを続けたい気持ちはあるけれど、この働き方のまま何年も続けられるか不安です。



その不安は、能力ではなく働き方の設計から来ています。続け方は、思っているより選べますよ。
SEを辞めたいと考える女性の相談で多いのは、仕事が嫌いになったという話ではありません。この働き方のまま、この先も続けられるのかという不安が、辞めたい気持ちの正体になっているケースがほとんどです。
結論から言うと、辞める前に確かめたいのは「いまの会社の働き方」と「SEという職種」を切り分けることです。夜間対応や常駐は会社ごとの方針で決まる部分が大きく、職種を変えなくても解決できることが多いからです。
この記事では、辞めたくなる理由の中身、続けやすい働き方への移り方、産休や育休を挟んだときの現実、そして職種を変える場合の選択肢を順番に説明します。
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辞めたくなる理由は、大きく4つに分かれる
同じ「辞めたい」でも、原因が違えば打ち手が変わります。まずは、自分の不安がどこにあるのかを確かめてください。
| 理由 | 起きていること | 有効な打ち手 |
|---|---|---|
| 働き方が続かない | 夜間や休日の対応があり、予定が立たない | 会社を変える。常駐のない会社を選ぶ |
| 体力が持たない | 残業が多く、休んでも回復しない | 残業の少ない会社、社内SEへ移る |
| 将来が見えない | 同じ立場の先輩がいない | 先の姿が見える会社へ移る |
| 評価に納得できない | 担当が変わらず、任される範囲も広がらない | 評価の仕組みがある会社へ移る |
このうち、上の3つは会社を変えるだけで大きく改善します。職種そのものを変える必要があるのは、仕事の中身が合わない場合だけです。
夜間や休日の対応は、会社の方針で決まる
運用や保守を請け負う会社では、当番制の夜間対応が組み込まれています。一方、自社開発や社内SEでは、緊急時を除いて夜間の対応がない会社も多くあります。同じSEでも、契約している仕事の種類が違うだけで、生活の形はまったく変わります。
面接では、夜間や休日の対応が月に何回あるか、当番の交代がどう回っているかまで確認してください。数字で答えられない会社は、実態が担当者任せになっている可能性があります。
同じ立場の先輩がいないと、先が見えなくなる
10年後の自分を想像したときに、参考にできる人が社内にいない。この状態は、それだけで辞めたい理由になります。仕事がつらいのではなく、続けた先が見えないことがつらいからです。
会社を選ぶときは、育休から戻って働いている人がいるか、時短勤務で設計や要件定義を担当している人がいるかを確認してください。制度の有無より、実際に使われているかどうかが重要です。



制度があっても使っている人がゼロなら、実質的には使いにくい会社です。人数で聞くのがいちばん確実ですよ。
続けやすい働き方に移るという選択
辞めるか続けるかの二択で考えると苦しくなります。実際には、その間に選択肢がいくつもあります。
- いまの会社で、常駐から自社案件へ担当を変えてもらう
- 夜間対応のない会社へ移る
- 事業会社の社内SEへ移る
- 在宅勤務の比率が高い会社へ移る
- 上流の工程に移り、時間の融通を利かせる
とくに社内SEは、生活の予定が立てやすい職種です。自社の仕組みを担当するため、納期の詰まり方が受託ほど極端ではなく、勤務地も固定されます。開発の手を動かす機会は減りますが、要望を整理する力はそのまま活きます。
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産休や育休を挟むときに、先に確かめておきたいこと
将来的に休む可能性があるなら、制度の中身は入社前に確認しておくと安心です。転職してすぐの取得には条件がある会社もあります。
- 育休の取得条件と、入社からの必要期間
- 復帰後の時短勤務が、何歳まで使えるか
- 復帰したときの担当が、どう決まるか
- 在宅勤務の可否と、その頻度
- 夜間や休日の対応が免除される仕組みがあるか
見落としがちなのが3つ目です。復帰後に、担当がテストや修正だけに固定されてしまうと、経験が積み上がらなくなります。復帰した人がどの工程を担当しているかを、面接で具体的に聞いてください。
妊娠や出産の予定を面接で話す義務はありません。確認したいときは、制度の運用実績として「育休から復帰した方は何人いますか」と聞く形にすると、答えやすく、こちらも判断材料が得られます。
技術の変化が早い業界なので、ブランクを不安に思う人は多いです。ただ、設計の考え方や業務知識は残ります。戻りやすさは、技術よりも、どの業務にくわしいかで決まります。
辞めたい気持ちが限界に近いときの見分け方
働き方の調整で済む段階と、休むことを優先すべき段階があります。判断の目安を挙げます。
- 眠れない日が2週間以上続いている
- 休日も仕事のことが頭から離れない
- 通勤の途中で涙が出る、動悸がする
- 食欲が落ちて、体重が減っている
- 人格を否定する言葉を受けている
当てはまるものがあるなら、転職活動より先に休んでください。心が削られているときの回復の順番を確認し、判断は体調が戻ってからにするほうが、結果的に良い選択ができます。



辞めるかどうかを、疲れた頭で決めなくていいんですね。



疲れているときの判断は、どうしても悪いほうに寄ります。順番を変えるだけで大丈夫です。
職種ごと変えたい場合の移り先
開発そのものが合わないと感じているなら、経験が活きる職種へ移る選択肢があります。
| 移り先 | 活きる経験 | 働き方の特徴 |
|---|---|---|
| 社内SE | 要件整理、ベンダーとのやりとり | 勤務地が固定され、予定が立てやすい |
| ITコンサル | 業務理解、資料と説明 | 年収は上がるが、繁忙の波が大きい |
| 品質管理や運用設計 | テスト設計、手順化 | 計画的に進めやすい |
| 営業技術 | 製品知識、説明のうまさ | 外出はあるが、夜間対応は少ない |
年収を優先するなら上流の職種が有利です。ITコンサル転職に強い転職エージェントのまとめで求人の中身を見ると、働き方との兼ね合いも判断しやすくなります。
同じ職場で続ける場合に、効果があること
すぐに転職できない事情があるときでも、負担を減らす方法はあります。まずは、自分の担当している作業のうち、時間を取られている割合が大きいものを1週間だけ記録してみてください。感覚ではなく数字にすると、上司に相談するときの材料になります。
次に、夜間や休日の対応について、当番の回り方を確認します。特定の人に偏っている場合、公平に割り振り直すだけで負担が半分になることがあります。言い出しにくい場合は、記録した数字を添えて相談すると、感情の話になりません。
それでも変わらないなら、その会社は仕組みを見直す力がないということです。個人の工夫で埋め続けるより、環境を変えたほうが早いと判断して構いません。
辞めると決めたあとの進め方
夜間対応、在宅、通勤時間、残業の上限など、譲れない条件を書き出します。
同じ経験で、どのくらいの年収と働き方が選べるかを見ます。
収入を止めないほうが、条件の比較を冷静にできます。
育休や時短の利用人数、復帰後の担当を確認します。
年収、残業、勤務地、在宅の可否を労働条件通知書で確かめます。
条件を伝えると求人が減ると心配する人もいますが、最初から合わない求人を除ける分、面接の通過率は上がります。条件は隠さず伝えるほうが効率的です。
30代前後に、選択が集中する理由
辞めたい気持ちが強くなる時期は、人によってばらつきがありますが、30代前後に集中しやすい傾向があります。理由は単純で、任される仕事が重くなる時期と、生活の変化が起きやすい時期が重なるからです。設計やリーダーを任され始めると、時間の融通が利きにくくなります。
このとき、続けるか辞めるかの二択で考えると、どちらを選んでも納得しにくくなります。実際には、勤務地を固定する、夜間対応のない会社に移る、担当する工程を変えるといった中間の選択肢が並んでいます。まずは、いまの条件のうち何が譲れないのかを書き出してみてください。
書き出した条件は、そのまま求人を探すときの基準になります。逆に、条件を決めないまま探すと、年収の数字だけで判断してしまい、生活が回らない会社を選んでしまうことがあります。
在宅勤務が実際に使える職場かどうかの見分け方
求人票に在宅勤務可と書かれていても、実際の運用はさまざまです。週に何回使えるのか、誰が使っているのか、現場によって違うのかを確認しないと、入社後に想定がずれます。
- 在宅勤務の頻度が、部署単位で決まっているか
- 常駐の案件でも在宅が認められるか
- 打ち合わせの時間帯が固定されているか
- 在宅の設備や通信費の補助があるか
- 実際に在宅で働いている人の割合
とくに2つ目は重要です。客先常駐の案件では、在宅の可否を決めるのは常駐先であることが多く、自社の制度があっても使えない場合があります。自社勤務や社内SEのほうが、制度をそのまま使える可能性は高くなります。
面接で聞きにくい場合は、入社後の一日の流れを説明してもらうと、在宅と出社の割合が自然と分かります。
働き方を変えた人の、よくある3つの形
実際に多い変え方を3つ紹介します。いずれも、SEという職種は手放していません。
| 変え方 | 変える前 | 変えた後 | 得られたもの |
|---|---|---|---|
| 常駐から自社開発へ | 現場が半年ごとに変わる | 同じ仕組みを長く担当 | 予定が立てやすくなった |
| 受託から社内SE | 納期に追われる日々 | 社内の要望を整理する仕事 | 夜間対応がなくなった |
| 実装から要件定義 | 手を動かす時間が長い | 決める仕事が中心 | 時間の融通が利くようになった |
共通しているのは、忙しさの種類を選び直している点です。仕事量そのものを減らすというより、突発的な対応が少ない働き方へ移ることで、生活と両立させています。
家族や周囲と、条件をすり合わせておく
働き方を変えるときは、家族の生活にも影響が出ます。年収、勤務地、在宅の頻度、通勤時間。この4つを先に共有しておくと、あとで話がこじれにくくなります。
伝えるときは、感情ではなく数字を使うと伝わりやすくなります。いまは残業が月50時間で帰宅が22時、移った先は月10時間で19時に帰れる、そのかわり年収は30万円下がる。このように並べると、判断が共有しやすくなります。
相談せずに進めると、内定が出てから反対されて動けなくなることがあります。求人を見始めた段階で一度話しておくと、選ぶ基準も一緒に決められます。
働き方を変えるときに、交渉できること
転職しなくても、いまの会社で条件を変えられる場合があります。交渉できる項目を知っておくと、選択肢が増えます。
- 在宅勤務の頻度
- 夜間や休日の当番の回数
- 担当する案件(常駐か自社か)
- 勤務時間の開始と終了
- 時短勤務や時差出勤の制度
3つ目は、生活への影響がいちばん大きい項目です。常駐から自社案件に変わるだけで、通勤時間も予定の立てやすさも変わります。
交渉するときは、希望だけでなく、こちらが出せる条件も添えると通りやすくなります。この曜日は出社できる、この時間帯なら対応できる、といった形です。
制度が使われている会社かどうかの見分け方
求人票に制度が並んでいても、実際に使われているとは限りません。確認の仕方を挙げます。
効果的なのは、人数で聞くことです。育休から復帰した方は何人いますか、時短勤務の方は何人いますか。数字で答えられる会社は、運用されている証拠です。
加えて、復帰後にどんな担当をしているかを聞いてください。制度は使えても、担当が補助的な作業に固定されるなら、経験は積み上がりません。
面接で聞きにくい場合は、転職の相談先を通して確認してもらう方法もあります。第三者から聞くほうが、実態が出ることもあります。
一度立ち止まる選択も、悪い判断ではない
体調や家庭の事情で、いま動けない時期もあります。そういうときは、無理に決めなくて構いません。
できることは、情報を集めておくことです。求人を見て相場を知る、制度を調べる、経歴を書き出しておく。この3つは、動ける状態になったときにそのまま使えます。
また、休職や時短といった制度を使って、いまの会社に籍を置いたまま立て直す道もあります。辞めるか続けるかの二択で考えず、間の選択肢も検討してください。
判断を先送りにすること自体が問題なのではありません。何も準備しないまま時間が過ぎることが問題です。
将来の働き方を、いまのうちに設計しておく
数年先に生活の形が変わる可能性があるなら、いまの時点で条件を確認しておくと安心です。
- 在宅勤務が、制度として定着しているか
- 時短勤務の対象年齢と、利用実績
- 夜間や休日の対応を、免除できる仕組み
- 勤務地を限定できる制度
- 復帰後の担当の決まり方
5つ目が、いちばん見落とされます。制度を使えても、戻ったときの担当が補助的な作業に固定されると、経験が積み上がりません。
これらは入社前に確認できる項目です。面接で聞きづらければ、転職の相談先を通して確認してもらうこともできます。
働き続けるために、頼れる先を増やす
仕事の悩みを一人で抱えると、視野が狭くなります。相談できる先を複数持っておくと、判断を誤りにくくなります。
社内では、直属の上司以外にも、人事や相談窓口があります。社外では、同じ職種の知人や、転職の相談先が候補です。どれも、辞める決断をしていなくても使えます。
とくに転職の相談先は、相場や他社の制度を教えてもらえるため、いまの環境を客観的に見る材料になります。残る判断をするうえでも役立ちます。
よくある質問
- 結婚や出産を考えていると、転職は不利になりますか
-
法律上、これを理由に採否を決めることはできません。実際の判断材料は、担当した工程と実績です。
- ブランクがあると戻れませんか
-
戻れます。業務知識と設計の考え方は残るため、同じ業界や同じ業務領域を選ぶと戻りやすくなります。
- 時短勤務でも上流の仕事はできますか
-
できます。要件定義や設計は、時間より整理する力が問われる仕事です。実績のある会社を選んでください。
- まわりに同じ立場の人が少なく不安です
-
人数よりも、育休から復帰した人が働き続けているかを確認してください。続いている会社は、仕組みが機能しています。
- 未経験の職種に移ると年収は下がりますか
-
IT経験が活きる職種なら横ばいを保てます。完全に未経験の職種は下がる前提で検討してください。
まとめ
辞めたい気持ちの裏側にあるのは、たいてい働き方の不安です。
- 夜間対応や常駐は、会社ごとの方針で決まる
- 先が見えない不安は、実績のある会社を選ぶと解消しやすい
- 制度は有無ではなく、使われている人数で確認する
- 体調に影響が出ているときは、休むことを最優先にする
- 開発以外にも、経験が活きる職種は多い
SEという職種を手放さなくても、働き方は選び直せます。まずは、いまの会社の条件が業界の中でどの位置にあるのかを確かめるところから始めてください。
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