インフラエンジニアについていけないと感じたら|基礎を固める順番と、現場での追いつき方

読者の方

インフラエンジニアになって半年ですが、会議で飛び交う言葉が分からず、作業も先輩に聞いてばかりです。このままついていけない気がして不安です。

ぼく

インフラは覚えることの範囲が広く、最初の1年はほとんどの人がついていけないと感じます。順番を決めて学べば、必ず追いつけますよ。

インフラエンジニアの仕事は、サーバー、ネットワーク、ストレージ、クラウド、セキュリティと、扱う範囲がとても広いのが特徴です。しかも現場では、それぞれの知識がつながった状態で使われるため、一部だけを学んでも全体の話が理解できず、「ついていけない」と感じやすい仕事です

結論から言うと、インフラでついていけないと感じる原因は「知識の範囲の広さ」「用語の多さ」「手順の意味が分からない」「障害のときの緊張」の4つです。ネットワークとサーバーの基礎を先に固め、現場の手順を「なぜそうするのか」とセットで覚えていくと、半年から1年で会話についていけるようになります。

この記事では、インフラエンジニアがついていけないと感じる理由、最初に学ぶ順番、現場での質問の仕方、障害のときの動き方、そして向いていないのではと悩んだときの判断の基準を説明します。

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目次

インフラでついていけないと感じる、4つの理由

まず、ついていけない感覚の中身を整理します。

理由よくある状況対策の方向
知識の範囲が広いサーバーの話を覚えたら、ネットワークの話が分からない基礎を順番に固め、つながりを意識する
用語が多い会議や手順書の略語が分からず、話が追えない現場でよく出る用語から覚える
手順の意味が分からない手順書どおりに作業できても、なぜその作業をするのか分からない作業ごとに目的を確かめる
障害のときの緊張緊迫した場面で何をすればよいか分からず固まる障害のときの自分の役割を事前に決めておく

4つとも、経験の浅い人なら誰もが通る壁です。自分の能力が足りないのではなく、覚える順番と方法の問題だと考えてください。

周りが詳しく見えるのは、経験の差があるから

先輩たちが当たり前のように話しているのは、何年もかけて同じ用語や障害に触れてきたからです。入って半年の自分と比べる相手ではありません。比べるなら、3か月前の自分と比べて、分かる用語や一人でできる作業がどれだけ増えたかを見てください。

反対に、半年たっても何も分からないと感じる場合は、学ぶ順番や方法が合っていない可能性があります。次の章の順番を参考に、学び方を見直してみてください。

最初に固めたい、基礎の順番

インフラの知識は、土台から順に積み上げると、理解が早くなります。

ネットワークの基礎

通信の仕組み、住所にあたる番号の考え方、名前と番号を変換する仕組みなど、機器同士がどうつながるかを学びます。

サーバーの基礎

よく使われる基本のソフトの操作、ファイルや権限の考え方、サービスの起動と停止を学びます。

現場の構成を理解する

担当しているシステムの構成図を見て、どの機器が何の役割を持っているかを確かめます。

クラウドの基礎

これまで学んだ仕組みが、クラウドではどのサービスに置き換わるのかを学びます。

セキュリティの基礎

通信の制限、権限の管理、記録の確認など、守るための仕組みを学びます。

ネットワークから始めるのは、サーバーもクラウドも、つながる仕組みが分からないと理解しにくいためです。1つの段階を完璧にしてから次に進む必要はありません。7割ほど分かったら次に進み、現場で使いながら戻って確認する、という進め方で十分です。

読者の方

いきなりクラウドの勉強をしていましたが、順番が逆だったのかもしれません。

ぼく

クラウドから入る人も多いですが、分からないところが出てきたら、ネットワークとサーバーの基礎に戻ると、つながりが見えてきますよ。

学習の時間を、どう確保するか

仕事で疲れている中で、勉強の時間を作るのは簡単ではありません。無理のない計画を立てることが、続けるための近道です。

時間おすすめの使い方
平日の朝や通勤の15〜30分用語集の見直し、基礎の本や動画で1つの項目を学ぶ
平日の夜の30分その日の作業で分からなかったことを調べてメモする
休日の1〜2時間自宅の検証の環境で、実際に手を動かして試す
月に1回1か月で増えた用語と、できるようになった作業を振り返る

大切なのは、読むだけで終わらせず、手を動かすことです。インフラの知識は、実際に設定を変えて、どう動くかを確かめたときに一番身につきます。自分のパソコンに練習用の環境を作ると、失敗を気にせず試せます。

資格の学習は、基礎を固めるのに役立つ

ネットワークやサーバーの基礎の資格は、学ぶ範囲が整理されているため、何から学べばよいか分からないときの道しるべになります。合格を目的にするより、現場で出てくる言葉と結びつけながら学ぶと、仕事にもそのまま活きます。

用語が分からないときの、覚え方

会議についていけない原因の多くは、用語です。すべてを覚えようとせず、現場でよく出る言葉から覚えていきます。

  1. 会議や手順書で分からなかった言葉を、その日のうちにメモする
  2. メモした言葉を、自分の言葉で一行の説明に書き直す
  3. 週に1回、メモを見直して、まだ分からない言葉を先輩に聞く
  4. 自分用の用語集として、少しずつ増やしていく

2つ目の「自分の言葉で書き直す」が大切です。調べた説明をそのまま写すだけでは、実際の会話で出てきたときに意味と結びつきません。「この機器は、外からの通信を振り分ける役割」のように、自分の現場に合わせて書くと記憶に残ります。

用語集は、3か月続けると100語ほどになります。それだけで、会議の話の大半が追えるようになります。

略語は、元の言葉と一緒に覚える

インフラの現場では、英語の頭文字をとった略語がとても多く使われます。略語だけを覚えるより、元の言葉と、その言葉が表す役割を一緒に覚えると、似た略語と混同しにくくなります。用語集には、略語、元の言葉、自分の現場での役割の3つを並べて書いておきましょう。

手順書の作業を、理解に変える方法

手順書どおりに作業できても、意味が分からないままだと、少し状況が変わっただけで対応できません。

  • この作業は、何のために行うのか
  • この作業をしないと、何が起きるのか
  • 作業の前と後で、どこが変わるのか
  • 失敗したときに、どう元に戻すのか

作業のたびに、この4つを自分に問いかけてください。分からない項目があれば、作業の後に先輩に聞きます。1つの作業について4つの問いに答えられるようになると、似た作業も応用して理解できるようになります。

構成図を、自分で描いてみる

現場のシステムの全体像がつかめないと、個々の作業の意味も分かりにくくなります。担当しているシステムの構成図を、自分の手で描き直してみることをおすすめします。

最初は、利用者の通信が入ってきてから、どの機器を通って、どのサーバーに届くのかを、矢印でつなぐだけで構いません。描いていくと、「この機器は何のためにあるのか」「ここが止まると、どこに影響するのか」といった疑問が出てきます。その疑問を先輩に聞くと、仕組みのつながりが一気に分かるようになります。

描いた構成図は、先輩に見てもらい、間違っている部分を直してもらいましょう。自分が理解していなかった部分がはっきりし、次に学ぶべきことも見えてきます。

先輩への質問の仕方

「聞いてばかりで申し訳ない」と感じる人も多いでしょう。質問の仕方を工夫すると、聞く回数が減り、先輩の負担も軽くなります。

よくない聞き方よい聞き方
これ、どうすればいいですかこの設定を変えたいのですが、手順書のこの部分で止まっています
エラーが出ましたこの作業でこのエラーが出ました。ここまでは調べましたが、原因が分かりません
全部教えてくださいまず、この仕組みの全体の流れだけ教えていただけますか

質問するときは、何をしようとしているのか、どこで止まっているのか、自分で何を調べたのかをセットで伝えます。先輩は状況をすぐに理解でき、答えも短くて済みます。15分調べて分からなければ聞く、のように、自分の中で基準を決めておくと、抱え込みすぎも防げます。

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ミスをしてしまったときの、考え方と動き方

インフラの作業では、小さな設定のミスが大きな影響を生むことがあります。経験の浅いうちにミスをして、自信をなくしてしまう人も少なくありません。

  1. ミスに気づいたら、すぐに先輩や上司に報告する
  2. 何をして、何が起きたかを、時間の順に正確に伝える
  3. 復旧の作業は、指示に従って行う
  4. 落ち着いたら、なぜミスが起きたのかを一緒に振り返る
  5. 同じミスを防ぐための手順や確認の方法を提案する

いちばん大切なのは、すぐに報告することです。隠したり、自分だけで直そうとしたりすると、影響が広がり、問題が大きくなります。すぐに報告したミスは、チームで対応できる問題として扱われます。

読者の方

以前、設定のミスを言い出せずに、しばらく一人で悩んでしまったことがあります。

ぼく

その気持ちはよく分かります。でも、報告が早いほど直すのも早くなりますし、信頼も失いません。次からは、すぐに声をかけてくださいね。

作業の前に、確認の習慣をつける

作業の前には、手順書の内容、作業する機器の名前、元に戻す手順の3つを必ず確認してください。本番の環境で作業する場合は、先輩に一度見てもらってから実行する、と決めておくと、大きなミスを防げます。

障害のときに、固まらないために

障害の対応は、経験の浅い人にとって最も緊張する場面です。事前の準備で、固まってしまうことを防げます。

自分の役割を確認しておく

障害のときに、自分は記録係か、確認係か、連絡係かを先輩と決めておきます。

連絡の流れを覚えておく

誰に、どの順番で、どう連絡するかを手順で確認しておきます。

記録を取る

何時に何が起き、誰が何をしたかを書き留めます。これだけでもチームの大きな助けになります。

振り返りに参加する

障害の後の振り返りで、原因と対応の流れを学びます。

経験の浅い人に、いきなり復旧の判断を求める現場はほとんどありません。記録を取る役割を確実にこなすだけでも、障害の流れを間近で学ぶ貴重な機会になります。

障害の振り返りで、学べること

障害の後の振り返りは、経験の浅い人にとって最高の教材です。何が原因で、どのように気づき、どの順番で対応したのかを聞くと、仕組みの知識と対応の考え方を同時に学べます。分からなかった点は、その場か後で必ず質問し、自分の用語集や手順のメモに加えておきましょう。

向いていないのか、慣れていないだけなのか

ついていけない状態が続くと、「向いていないのでは」と考えてしまいます。判断する前に、次の点を確かめてください。

  • 分かる用語や、一人でできる作業は、3か月前より増えているか
  • 仕組みが分かったときに、面白いと感じる瞬間があるか
  • 夜間の作業や障害の緊張が、体調に影響していないか
  • 学び方を変えても、1年以上まったく進歩を感じないか

1つ目と2つ目が当てはまるなら、慣れていないだけの可能性が高いでしょう。3つ目と4つ目が強く当てはまる場合は、インフラの中でも別の担当に移るか、ほかの職種を考える材料になります。

職場を変える場合も、ここまでに学んだ基礎と、作った用語集や構成図は、次の職場でそのまま役立ちます。

ついていけないときに、選べる道

努力を続けても難しいと感じる場合は、次のような道もあります。

内容向いている人
インフラの中で担当を変える監視や運用など、範囲の限られた担当から経験を積む基礎から着実に積み上げたい人
ヘルプデスクや情シス利用者に近い立場で、ITの基礎を活かす人と関わる仕事にやりがいを感じる人
テストや品質の担当手順に沿って確認し、不具合を見つける細かい確認が得意な人
開発の職種インフラの知識を持ちながら、作る仕事に移る作ることに興味がある人

インフラで学んだ基礎の知識は、どの道に進んでも役立ちます。ついていけないと感じた経験も、無駄になることはありません。

1年後に、ついていけるようになるための計画

ついていけない不安は、計画を立てて少しずつ進めると、確実に小さくなっていきます。

最初の3か月は、ネットワークとサーバーの基礎を学びながら、用語集を作ります。4〜6か月目は、担当しているシステムの構成図を自分で描けるようにし、手順書の作業の意味を4つの問いで確かめます。7〜9か月目は、クラウドとセキュリティの基礎に進み、障害の振り返りに積極的に参加します。10〜12か月目は、1年で覚えた用語とできるようになった作業を書き出し、次の1年の目標を決めます。

1年後に振り返ったとき、会議の話の大半が分かり、一人でできる作業が増えていれば、もう「ついていけない」段階は抜けています。焦らず、1つずつ積み上げてください。

職場の環境に、問題がないかも確かめる

ついていけない原因が、自分ではなく職場の環境にあることもあります。次のような状態が続く場合は、上司に相談してみてください。

  • 教えてくれる先輩が決まっておらず、質問できる相手がいない
  • 手順書や構成図が整っておらず、自分で調べる手がかりがない
  • 経験に見合わない作業を、一人で任されている
  • 学習の時間や、検証の環境が与えられていない

こうした環境では、誰でもついていけないと感じます。改善を相談しても変わらない場合は、教える仕組みが整った職場に移ることも、前向きな選択肢です。

よくある質問

インフラエンジニアについていけないのは普通ですか

普通です。扱う範囲が広いため、最初の1年はほとんどの人がついていけないと感じます。

何から勉強すればいいですか

ネットワークの基礎から始め、サーバー、現場の構成、クラウド、セキュリティの順に進めるのがおすすめです。

先輩に質問しすぎて申し訳ないです

何をしたいか、どこで止まっているか、何を調べたかをセットで聞くと、先輩の負担が減り、答えも早くなります。

障害のときに何もできません

記録係など自分の役割を事前に決め、連絡の流れを覚えておくと、落ち着いて動けるようになります。

インフラに向いていないのでしょうか

できることが少しずつ増えているなら、慣れていないだけの可能性が高いです。体調への影響が大きい場合は、担当や職種を変えることも考えましょう。

まとめ

インフラエンジニアでついていけないと感じるのは、能力ではなく、覚える範囲の広さと順番の問題です。

  • 原因を、範囲の広さ・用語・手順の意味・障害の緊張の4つに分ける
  • ネットワーク、サーバー、構成、クラウド、セキュリティの順に基礎を固める
  • 用語は、自分の言葉で書き直して用語集にする
  • 質問は、目的・止まった場所・調べたことをセットで伝える
  • 障害のときは、記録係など自分の役割を決めておく

まずは、今日の会議や作業で分からなかった言葉を3つメモし、自分の言葉で説明を書くところから始めてください。その小さな積み重ねが、ついていける自分をつくります。

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