SESでついていけないと感じたら|原因と、最初の1か月の追いつき方

読者の方

SESで新しい現場に入りましたが、周りのレベルが高くてついていけません。毎日つらいです。

ぼく

SESは現場が変わるたびに、ゼロから覚え直す働き方です。ついていけないと感じるのは、能力ではなく仕組みのせいであることが多いですよ。

SESで働いていると、現場が変わるたびに新しい技術、新しい業務、新しい人間関係を一度に覚えることになります。前の現場で通用していたことが、次の現場ではまったく役に立たないという状況も珍しくありません。ついていけないと感じるのは自然なことです。

結論から言うと、SESでついていけない原因は「知識の前提が現場ごとに違う」「質問できる相手がいない」「求められる水準と配置が合っていない」の3つです。最初の1か月の過ごし方を工夫すれば多くは追いつけますが、スキルと案件の水準が大きくずれているなら、配置の見直しを自社に相談すべき状況です。

この記事では、ついていけないと感じる原因、入ってすぐにやること、質問の仕方、配置が合っていないときの相談、そして限界のサインを説明します。

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目次

SESでついていけないと感じる、3つの原因

まず、何が原因で追いつけないのかを分けます。原因によって、打つ手が変わります。

原因起きていること有効な対処
知識の前提が違う技術や業務の用語が分からない担当範囲から順に覚える
質問できる相手がいない周りが他社の人ばかりで聞きにくい聞く相手を最初に決めてもらう
水準と配置が合っていない経験のない技術を任されている自社に配置の相談をする

1つ目は、時間とともに解消します。2つ目は、自社の担当者を通じて整えられます。3つ目は、本人の努力だけでは解決しにくい問題です。

現場ごとに、前提がまったく違う

同じシステム開発でも、使う技術、業務の内容、進め方の作法は現場ごとに違います。前の現場で3年働いていても、次の現場では新人と同じ状態から始まることがあります。

他社の人ばかりで、聞く相手がいない

常駐先の社員は自分の仕事で忙しく、別会社の人に丁寧に教える余裕がないこともあります。聞きにくい雰囲気が続くと、分からないことを抱え込み、さらに遅れていきます。

経歴と案件の水準が、ずれている

会社によっては、経験のない技術の案件に配置されることがあります。本人の経歴を実際より高く見せて契約しているケースもあり、その場合は追いつけないのが当然です。

読者の方

経験のない言語の案件に入れられていて、毎日焦っています。

ぼく

それは配置の問題かもしれません。一人で抱えず、自社に状況を伝えることが大切です。

現場に入って最初の1か月で、やること

追いつくためには、最初の1か月の過ごし方が重要です。優先順位を決めて進めてください。

1週目

聞いてよい相手と、作業の進め方の作法を確認します。

2週目

担当範囲の仕組みを図にし、データの流れを追います。

3週目

会議や会話で出た分からない言葉を、毎日3つずつ調べます。

4週目

小さな作業を一人で終え、確認してもらいます。

全部を一度に理解しようとしないことがこつです。担当する範囲から外側へ、少しずつ広げてください。

とくに2週目の作業は効果があります。仕組みを図にすると、質問の精度が上がり、同じことを何度も聞かずに済むようになります。

追いつけた人が、最初にやっていたこと

未経験の技術の現場に入り、数か月で追いついた人に共通するのは、最初の2週間で全体像をつかむことに時間を使っていた点です。目の前の作業だけを追うのではなく、担当する機能がシステム全体のどこに位置するのかを先に理解していました。

また、分からないことを1日の終わりに一覧にし、翌朝まとめて質問する習慣を持っていました。質問の回数を絞りながら、確実に疑問を解消していく方法です。

さらに、教わったことをその日のうちに自分の言葉でまとめていました。聞いたことを書き直すと理解が深まり、同じことを二度聞かずに済みます。こうした地道な積み重ねが、数か月後の差になっています。

最初の1か月でつまずきやすい点

多くの人がつまずくのは、開発の環境を整える段階です。手順書が古かったり、権限の申請に時間がかかったりして、作業に入る前から遅れを感じてしまいます。

この段階の遅れは、本人の能力とは関係ありません。環境の準備で詰まったら、半日以上一人で悩まず、早めに相談してください。つまずいた内容と解決した方法を記録しておくと、後から入る人の助けにもなります。

質問のしかたで、追いつく速さが変わる

聞きにくい環境でも、質問の形を整えると答えてもらいやすくなります。

効果的なのは、自分の理解を添えて聞くことです。ここまでは調べて分かった、この部分で止まっている、この理解で合っているか。この3つを伝えると、相手は足りない部分だけを短く答えられます。

また、急ぎでない質問はまとめておき、区切りのよい時間に聞くと、相手の作業を止めずに済みます。聞いた内容は必ず記録し、同じことを二度聞かないようにすると、信頼されるようになります。

聞く相手がどうしても見つからない場合は、自社の担当者を通じて、常駐先に窓口を決めてもらうよう依頼してください。本人が遠慮する問題ではありません。

1つでも当てはまるなら、一度相談しておくと安心です

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自社の研修や支援を、活用する

会社によっては、技術の研修や資格の支援、先輩社員への相談の仕組みを用意しています。現場で追いつけないと感じたら、こうした支援を使えないかを自社に確認してください。

使える支援がある場合は、現場で必要な技術に絞って受けると効果的です。範囲を広げすぎると、業務と両立できなくなります。支援がまったくない会社なら、そのこと自体が、長く働く環境として合っているかを考える材料になります。

支援を使った経験は、面接でも学ぶ姿勢として伝えられます。どんな研修を受け、現場でどう活かしたかを記録しておくと、次の転職で具体的に話せる材料になります。小さな取り組みでも、積み重ねれば説得力のある経歴になります。

配置が合っていないときは、自社に相談する

1か月から2か月努力しても追いつけない場合は、案件の水準と自分の経験が合っていない可能性があります。この場合は、自社の担当者に相談してください。

状況を書き出す

任されている作業、使う技術、自分の経験との差を具体的に書きます。

影響を伝える

作業の遅れや、品質への影響を事実として伝えます。

必要な支援を伝える

教える担当をつけてもらう、作業の範囲を調整する、など希望を具体的にします。

現場の変更も視野に入れる

改善が見込めない場合は、経験に合う案件への変更を相談します。

配置の問題を個人の努力で埋め続けると、体も心も持ちません。契約の品質にも関わるため、自社にとっても放置できない問題です。遠慮せずに伝えてください。

経歴を実際より高く見せて契約している会社では、相談しても改善されないことがあります。その場合は、会社そのものを見直す判断が必要です。

ついていけない状態が、限界に近いときのサイン

焦りが続くと、心と体に負担が出ます。次のサインが出ていないか確かめてください。

  • 眠れない日が続いている
  • 現場に向かう途中で体調が悪くなる
  • 休日も仕事のことが頭から離れない
  • ミスが増え、自分を責める時間が長い
  • 人に会うのがつらくなっている

当てはまるなら、努力を続けるより先に休むことを考えてください。心と体が削られているときの回復の順番も参考にしてください。

前の現場の経験を、新しい現場で活かす

ついていけないと感じていても、前の現場で身につけたことはすべてが無駄になるわけではありません。形を変えて使えるものがあります。

前の現場で身についたこと新しい現場での使い方効果
仕組みの読み方データの流れを追う手順全体像を早くつかめる
障害の切り分け動かないときの調べ方質問する前に原因を絞れる
業務の知識業界の違いと共通点を比べる要件の意図を理解しやすい
記録を残す習慣分からなかった点を整理する同じ質問を繰り返さない

技術の名前が違っても、考え方は共通していることが多いものです。新しい現場で戸惑ったときは、前の現場で似た場面がなかったかを思い出してみてください。

自分で学ぶ時間を、無理なく作る

追いつくために休日をすべて勉強に使うと、長くは続きません。業務の中で学ぶ形を中心にしてください。

  • 担当する機能で使われている技術から学ぶ
  • 分からない言葉は、その日のうちに3つだけ調べる
  • レビューで指摘された理由を記録する
  • 週末は1時間だけ、平日に詰まった部分を復習する
  • 学んだことを、自分用の手順書にまとめる

5つ目は、学びを定着させる効果があります。自分の言葉でまとめた手順書は、次の現場でも役立ちます。

学ぶ時間がまったく取れない場合は、残業や作業量が過大になっている可能性があります。SEの残業が多い理由と減らし方も確認し、働き方そのものを見直してください。

SESという働き方が、合っているかを考える

現場が変わるたびについていけない苦しさを繰り返すなら、働き方そのものとの相性を考える価値があります。

感じ方合っている可能性が高い働き方理由
現場の変化が刺激になるSESさまざまな技術と業務に触れられる
1つの仕組みを深く理解したい自社開発、社内SE同じ仕組みを長く担当できる
教えてもらえる環境がほしい教育体制のある会社質問できる相手が決まっている
同じ人と長く働きたい自社勤務の会社人間関係を作り直さずに済む

合わないと分かることは、失敗ではありません。自分に合う働き方を知る材料になります。求人を比べるときは、SE転職に強い転職エージェントのまとめで、教育体制や自社勤務の割合を条件に指定してもらうと探しやすくなります。

ついていけなかった経験を、次に活かす

苦しい時期の経験も、振り返ると強みになります。新しい環境で短期間に仕事を覚えようとした経験は、適応の力として伝えられます。

記録しておきたいのは、どんな状態から始めて、どのくらいの期間で何ができるようになったかです。たとえば、未経験の技術の案件に入り、3か月で一人で機能の改修を担当できるようになった、という経験は、転職の面接で具体的に話せる材料になります。

また、ついていけなかった原因を整理しておくと、次の職場選びで同じ状況を避けられます。客先常駐の働き方の特徴もあわせて読むと、自分に合う条件が見えやすくなります。

読者の方

つらかった時期も、書き方しだいで強みになるんですね。

ぼく

そうです。どう乗り越えようとしたかは、面接官がいちばん知りたい部分でもありますよ。

常駐先の社員と、良い関係を作るこつ

ついていけない状態を抜け出すには、常駐先の社員の協力が欠かせません。関係を作るためのこつを挙げます。

まずは、あいさつと報告を欠かさないことです。技術的に追いついていなくても、進み具合をこまめに共有する人は、信頼を得やすくなります。何をしているのか分からない人には、手を差し伸べにくいものです。

次に、教えてもらったことへのお礼を具体的に伝えることです。昨日教えていただいた方法で解決できました、と一言添えるだけで、相手は次も教えようという気持ちになります。

そして、教わったことを資料にまとめて共有することです。自分のためのメモが、次に入ってくる人の助けにもなり、チームへの貢献として受け止められます。

忙しそうな相手に、声をかけるタイミング

朝の打ち合わせのあと、昼休みの前後、作業の区切りがよさそうな時間は、比較的声をかけやすいタイミングです。急ぎでない質問は、チャットで要点だけ送り、相手の都合のよいときに答えてもらう形も使えます。

反対に、打ち合わせの直前や、障害対応中の時間帯は避けてください。相手の状況を見て声をかける配慮が、関係を良くする第一歩です。

ついていけない時期の、気持ちの保ち方

周りと比べて焦る気持ちは、仕事の進み方にも影響します。気持ちを保つ工夫も大切です。

  • 比べる相手を、1週間前の自分にする
  • できるようになったことを、毎週1行書き出す
  • 帰宅後は仕事のことを考えない時間を作る
  • 睡眠時間を最優先で確保する
  • 同じ会社の常駐者と、状況を話し合う

1つ目と2つ目は、焦りを小さくする効果があります。現場に入ってからの期間が短いのに、長くいる人と比べて落ち込む必要はありません。

5つ目も有効です。同じような経験をしている人がいると分かるだけで、自分だけがつらいわけではないと感じられます。

読者の方

できたことを書き出すのは、やったことがありませんでした。

ぼく

1行で十分です。1か月たつと、思っていたより進んでいることに気づけますよ。

会社を変える判断をするときの基準

現場を変えても同じ苦しさが続く場合は、会社そのものを見直す段階です。判断の基準を挙げます。

状況考えられる原因判断の目安
配置のたびに経験のない技術を任される経歴を実際より高く見せて契約している相談しても変わらなければ会社を変える
相談しても支援が得られない自社に社員を支える体制がない半年変わらなければ会社を変える
教育の機会がまったくない育成の方針がない学べる会社への移動を検討
常駐先で常に一人配置の方針が変わらない自社勤務や複数名配置の会社へ

1つ目の状況は、とくに注意が必要です。本人の経歴と違う内容で契約されていると、どれだけ努力しても追いつけず、心身を消耗します。自分の経歴がどう伝えられているかを、自社に確認してみてください。

会社を変える場合は、面接で配属の決まり方と、未経験の技術を任せるときの支援の仕組みを必ず確認してください。

よくある質問

SESでついていけないのは、向いていないからですか

現場ごとに前提が違うため、最初はついていけないのが普通です。1か月の過ごし方を工夫すれば、多くの場合は追いつけます。

経験のない技術の案件に入れられました

配置の問題の可能性があります。自社の担当者に、経験との差と必要な支援を具体的に伝えてください。

質問すると嫌な顔をされます

質問の形を整え、まとめて聞くと改善することがあります。それでも難しい場合は、自社を通じて窓口を決めてもらってください。

何か月で慣れますか

担当範囲の理解は1か月から3か月が目安です。半年たっても追いつけない場合は、配置を見直す時期です。

辞めたほうがいいですか

配置の相談をしても改善されず、体調に影響が出ているなら、環境を変える判断も正当な選択です。

まとめ

SESでついていけないと感じるのは、能力ではなく、現場ごとに前提が変わる働き方から来ていることがほとんどです。

  • 原因は、知識の前提・質問相手の不在・配置のずれの3つ
  • 最初の1か月は、担当範囲から順に仕組みを図にする
  • 質問は、理解を添えてまとめて聞く
  • 1〜2か月で追いつけなければ、自社に配置を相談する
  • 体調に影響が出ているなら、休むことを優先する

一人で抱え込む必要はありません。まずは明日、聞いてよい相手を1人決めるところから始めてください。

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