読者の方SESで働いていますが、もう辞めたいです。でも、辞めても次があるのか不安で踏み出せません。



辞めたい理由を分けると、会社を変えれば解決するのか、働き方ごと変えるべきなのかが見えてきます。一緒に整理しましょう。
SESを辞めたいと感じる理由は、人によってさまざまです。給料が上がらない、同じ作業ばかり、現場で孤立している、評価されない。どれも本人の努力不足ではなく、SESという契約の形と配置の仕組みから生まれやすい悩みです。
結論から言うと、SESを辞めたい理由は「お金」「経験」「人間関係」「働き方」の4つに分けられます。理由によって、同じSESの別の会社に移るのか、元請けや自社開発に移るのか、事業会社の社内SEに移るのかが変わります。辞める前に理由を分け、在職のまま次を決めることが、後悔しないための基本です。
この記事では、辞めたい理由の分け方、辞める前に試せること、辞めるべきサイン、移り先の選び方、そして退職までの進め方を順に説明します。
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SESを辞めたくなる、4つの理由
同じ辞めたいでも、原因によって選ぶべき道が変わります。まずは自分の不満がどこにあるのかを確かめてください。
| 理由 | よくある状況 | 解決しやすい移り先 |
|---|---|---|
| お金 | 単価が上がっても給与に反映されない | 元請けのSIer、ITコンサル |
| 経験 | テストや保守だけが続き、担当が広がらない | 自社開発、元請けのSIer |
| 人間関係 | 一人で常駐し、相談相手がいない | 自社勤務の会社、社内SE |
| 働き方 | 通勤や現場の変化が負担 | 事業会社の社内SE、在宅中心の会社 |
複数当てはまる場合は、いちばん解決したいものを1つ決めてください。すべてを一度に解決できる会社はほとんどないため、優先順位があると判断がぶれません。
お金の悩みは、商流の位置で決まる
SESの給与が上がりにくいのは、間に入る会社が多く、顧客が払う金額のうち手元に残る割合が小さいためです。個人の評価で動かせる幅には限りがあります。SEの給料が上がらない仕組みを知ると、会社を変える意味が見えてきます。
経験の悩みは、配置の仕組みで決まる
空いている現場に配置される会社では、同じ工程が何年も続くことがあります。担当が広がらないまま年数を重ねると、転職のときに書ける内容が少なくなります。
人間関係と働き方の悩みは、常駐の形で決まる
自社の人がいない現場に一人で入る形が続くと、孤立しやすくなります。現場が数か月ごとに変わる働き方が合わない人もいます。これは性格の問題ではなく、働き方との相性の問題です。



全部当てはまる気がしてきました。



多くの人がそうです。その中で、いちばんつらいものから順に考えていきましょう。
辞める前に、試しておきたいこと
辞めるかどうかを決める前に、社内で試せることがあります。試したうえで変わらなければ、辞める判断に迷いがなくなります。
- 担当したい工程を、自社の上司に具体的に伝える
- 自社の社員がいる現場や、元請けの案件を希望する
- 単価と給与の関係について、評価の基準を確認する
- 成果を記録し、評価面談で示す
- 変わらなかった場合の期限を、自分の中で決めておく
1つ目と2つ目は、伝えていない人がとても多い項目です。希望を伝えていない人は、空いている現場に配置され続けます。
5つ目は、我慢を試す期間に変える工夫です。半年と決めておけば、その間は前向きに取り組めますし、変わらなければ迷わず次に進めます。
すぐに辞めたほうがいいサイン
試す余裕がない状態もあります。次のサインが出ているなら、準備より先に自分を守ることを優先してください。
- 眠れない日が2週間以上続いている
- 現場に向かう途中で体調が悪くなる
- 休日も気持ちが戻らない
- 人格を否定する言葉を受けている
- 残業が月80時間を超える状態が続いている
体調に影響が出ている場合は、休職も含めて検討してください。心と体が削られているときの回復の順番も参考になります。判断は、体調が戻ってからでも遅くありません。
SESを辞めたあとの、主な移り先
SESで積んだ経験は、いくつもの道で活かせます。それぞれの特徴を比べてください。
| 移り先 | 得られるもの | 注意点 | 年収の傾向 |
|---|---|---|---|
| 元請けのSIer | 上流の工程、単価の改善 | 調整の仕事が増える | 上がりやすい |
| 自社開発の会社 | 腰を据えた開発、技術の選定 | 技術を学び続ける必要がある | 横ばいか上がる |
| 事業会社の社内SE | 勤務地の安定、業務の当事者感 | 開発の機会は減る | 横ばい |
| 別のSES会社 | 単価の還元や配属の改善 | 契約の形は変わらない | 少し上がる |
| ITコンサル | 提案の裁量、年収 | 求められる速さが上がる | 大きく上がることも |
別のSES会社に移る場合は、還元の仕組みと配属の決まり方が今の会社より明確かを必ず確認してください。条件が変わらなければ、同じ悩みを繰り返します。
辞めたい理由別の、移り先の選び方
理由と移り先を組み合わせると、選ぶべき道がはっきりします。
- お金が理由なら、元請け比率の高い会社か、ITコンサルを検討する
- 経験が理由なら、上流から関われる会社か、自社開発の会社を検討する
- 人間関係が理由なら、自社勤務が中心の会社か、社内SEを検討する
- 働き方が理由なら、勤務地が固定される社内SEや、在宅中心の会社を検討する
- 迷うなら、いちばん解決したい理由を1つに絞る
理由を1つに絞ると、面接でも一貫した説明ができます。志望動機があいまいになる人の多くは、ここを決めていません。
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- 今の年収が、同じスキルの人より低い気がする
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SESの経験を、職務経歴書でどう書くか
SESの経験は、書き方で評価が大きく変わります。現場が複数ある場合の書き方を示します。
直近の3現場を厚く書き、古い現場は1行にまとめます。
金融、物流など業界と、担当した業務の範囲を書きます。
担当した工程、期間、チームの人数を書きます。
障害対応、手順の整備、確認の改善など、自分で動いたことを書きます。
短期間でなじむ力や、複数業界の知識を最後にまとめます。
4つ目があるかどうかで、印象が大きく変わります。作業をこなしていただけではなく、考えて動いていたことが伝わるためです。
SESの経験で、とくに評価されやすい3つ
職務経歴書を書くときは、次の3つを意識して盛り込んでください。どれもSESで働いた人が持ちやすい強みです。
ひとつは、複数の業界の業務知識です。金融、物流、製造など、業界ごとの業務の流れを知っている人は、事業会社でも元請けでも重宝されます。もうひとつは、新しい現場に早くなじむ力です。現場が変わるたびに短期間で仕事を覚えた経験は、立ち上がりの速さとして伝わります。
3つ目は、障害対応の経験です。原因を切り分け、暫定の対応を決め、再発を防ぐ手順を作った経験は、どの会社でも求められます。規模や件数を添えて書いてください。
在職のまま転職活動を進める方法
SESを辞めるときは、次を決めてから辞めるのが基本です。収入が止まると、条件の比較に焦りが混じるためです。
平日は現場に入っているため、時間の確保が課題になります。日程の調整を任せられる相談先を使うと、夜や土曜に面接を組んでもらえることが多く、負担が大きく減ります。SE転職に強い転職エージェントのまとめから、2社ほど登録しておくと求人の比較もしやすくなります。
面接は週に2社までに抑え、同じ日に固めないでください。現場の仕事と両立するには、体力の配分が重要です。
面接で、SESを辞める理由をどう伝えるか
面接では、不満をそのまま伝えるより、次にどう働きたいかを中心に話してください。担当が広がらなかったという事実は、設計から関わる環境で経験を広げたい、という希望に言い換えられます。
同じように、評価が届かなかったという事実は、成果が評価に反映される体制で働きたい、と伝えられます。事実を曲げる必要はありませんが、前向きな形で伝えるほうが、志望動機ともつながり、評価されやすくなります。
求人を比べるときに、見落としやすい点
複数の内定や求人を比べるときは、年収の額面だけで決めないでください。みなし残業の時間、賞与の実績、常駐の割合、通勤時間を並べると、実際の働きやすさが見えてきます。
たとえば、年収が30万円高くても、みなし残業が月45時間含まれていれば、時間あたりの金額は下がることがあります。反対に、年収が同じでも常駐がなくなり、通勤が片道30分短くなれば、生活の質は大きく変わります。
比べる項目を先に決めて表にしておくと、感覚ではなく条件で判断できます。迷ったときは、辞めたいと感じた理由をいちばん解決してくれる会社を選んでください。
内定を承諾する前に、最後に確かめること
承諾の返事をする前に、配属予定の部署と、最初に担当する案件の内容を改めて確認してください。入社してから想像と違ったという事態の多くは、この確認を省いたときに起きます。
確認した内容は、メールで返事をもらうなど、記録に残る形にしておくと安心です。疑問が残るまま承諾するより、一度持ち帰って考えるほうが、結果的に後悔の少ない選択になります。
承諾の期限が迫っている場合でも、確認のための時間をもらうことは失礼にあたりません。数日の猶予を相談すれば、多くの会社は応じてくれます。焦って決めるより、納得して決めることを優先してください。
退職を伝えるときの、進め方と注意点
SESならではの注意点があります。順番を守ると、もめずに辞められます。
- 就業規則で、退職の申し出の期限を確認する
- 内定が出てから、自社の上司に伝える
- 常駐先への説明は、自社の担当者に任せる
- 担当作業の一覧と引き継ぎの計画を用意する
- 有給の残日数を確認し、消化の予定を立てる
3つ目が最も大切です。自分から常駐先に伝えると、契約の話がこじれることがあります。現場の都合で退職日の調整を求められることもありますが、体調に影響がある場合は無理に合わせる必要はありません。
辞めたあとに後悔しないための確認
移った先でも同じ悩みを抱える人は、確認を省いています。内定の段階で、次の点を書面で確かめてください。
| 確認すること | なぜ大切か | 確認の方法 |
|---|---|---|
| 担当する工程 | 経験の広がりを左右する | 配属予定の案件を具体的に聞く |
| 常駐の有無と割合 | 孤立や働き方に関わる | 数字で答えてもらう |
| 評価と昇給の仕組み | お金の悩みの再発を防ぐ | 等級と昇給の実績を聞く |
| 勤務地と在宅 | 生活に直結する | 労働条件通知書で確認する |
口頭で説明された内容は、メールなど記録に残る形でも確認しておくと安心です。
SESから抜け出した人の例
実際にSESを辞めて環境を変えた人の例を紹介します。
ある人は、テストと実装を4年間担当したあと、元請けのSIerへ移りました。現場ごとの担当を記録していたため、面接で経験を具体的に説明でき、入社後は設計から関わっています。年収も約70万円上がりました。
別の人は、一人で常駐する孤独がつらく、事業会社の社内SEに移りました。同じ会社の人と長く働く環境になり、相談できる相手ができたことで、働き方が安定したと話しています。
どちらも、辞めたい理由をはっきりさせてから移り先を選んでいます。SEを辞めたいと感じたときの考え方もあわせて読むと、判断の材料が増えます。
辞めたい気持ちを、家族や周りにどう伝えるか
SESを辞めると話すと、次は決まっているのか、また同じことにならないかと心配されることがあります。伝え方を工夫すると、理解を得やすくなります。
効果的なのは、数字で状況を伝えることです。いまの年収と残業時間、通勤時間、担当している工程が何年変わっていないか。事実を並べると、感情ではなく判断の話として受け止めてもらえます。
そのうえで、次に何を変えたいのかを1つに絞って伝えてください。年収を上げたい、担当を広げたい、同じ会社の人と働きたい。目的がはっきりしていると、周りも応援しやすくなります。
求人を見始めた段階で一度共有しておくと、内定が出てから反対されて動けなくなる事態を防げます。
辞めたいのに動けないときの、考え方
辞めたい気持ちはあるのに、なかなか動けない人は多くいます。動けない理由の多くは、情報がないことです。
| 動けない理由 | 実際のところ | 最初の一歩 |
|---|---|---|
| 次が見つかるか不安 | SESの経験者を求める求人は多い | 求人を5件見て相場を知る |
| 経歴に書くことがない | 記録していないだけのことが多い | 現場ごとの担当を書き出す |
| 辞めると迷惑をかける | 人の入れ替わりは契約で想定されている | 就業規則の期限を確認する |
| 転職活動の時間がない | 日程調整は任せられる | 相談先に登録する |
どの理由も、最初の一歩は1時間以内で終わる作業です。準備をしておくだけで、動くかどうかの判断はずっと楽になります。



たしかに、何も調べないまま不安だけが大きくなっていました。



調べるだけなら、辞める決断はいりません。まずは相場を知るところから始めてみてください。
辞めずに残る判断も、比べたうえでなら正しい
求人を比べた結果、いまの会社のほうが条件が良いと分かることもあります。その場合、残る判断も立派な選択です。
大切なのは、比べずに我慢することをやめることです。相場を知ったうえで残るなら、社内での交渉にも使えます。同じ経験で年収がいくらの求人があるかを示せば、評価面談の材料になります。
残ると決めた場合も、担当を広げる希望と、期限の設定は続けてください。半年ごとに状況を確かめ、変わらなければ改めて外を見る。この繰り返しが、後悔しない働き方につながります。
よくある質問
- SESを1年未満で辞めても大丈夫ですか
-
理由を説明できれば、大きな不利にはなりません。体調に影響がある場合は、期間にかかわらず自分を守ることを優先してください。
- SESから元請けに転職できますか
-
できます。担当した工程と規模、工夫した点を具体的に書ければ、実装やテストの経験でも評価されます。
- 辞めると常駐先に迷惑がかかりませんか
-
人の入れ替わりは契約で想定されています。就業規則に沿って伝え、引き継ぎを丁寧にすれば問題ありません。
- 次もSESの会社に入るのはありですか
-
還元の仕組みや配属の決まり方が明確な会社なら選択肢になります。条件が今と変わらないなら、同じ悩みを繰り返します。
- 辞めたい理由が多すぎて整理できません
-
お金、経験、人間関係、働き方の4つに分け、いちばん解決したいものを1つ選んでください。
まとめ
SESを辞めたい気持ちは、契約の形と配置の仕組みから生まれやすいものです。
- 辞めたい理由を、お金・経験・人間関係・働き方の4つに分ける
- 辞める前に、担当と配属の希望を伝えて期限を決める
- 体調に影響が出ているなら、準備より先に休む
- 理由に合う移り先を選び、在職のまま活動する
- 常駐先への説明は自社の担当者に任せ、条件は書面で確認する
辞めることは逃げではなく、働き方の選び直しです。まずは、辞めたい理由を4つに分けて紙に書き出すところから始めてください。
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