SIerから転職できないと感じたら|書類が通らない原因と直し方

読者の方

SIerから転職したいのに、書類が通りません。もう無理なのでしょうか。

ぼく

経験の書き方で落ちている場合がほとんどです。原因を分けて見ていきましょう。

SIerから転職できないと感じる人の多くは、経験がないのではなく、経験を伝えられていない状態にあります。管理や調整の仕事は形に残りにくく、職務経歴書に書きづらいためです。

結論から言うと、書類が通らない原因は「担当した範囲があいまい」「応募先が合っていない」「希望する工程を書いていない」の3つに集中します。どれも書き方と選び方で変えられます。

この記事では、通らない原因の切り分け、経歴の書き直し方、応募先の選び方、そして年代ごとの現実的な進め方を説明します。

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目次

転職できないと感じる、4つの原因

まず、どこで止まっているのかを確かめます。

原因起きていること対処
担当範囲があいまい何を決めていたかが伝わらない工程と決裁範囲を書く
実装の経験が少ない開発職に応募して落ちる上流や事業側を狙う
応募先が合っていない求人と経験がずれている業務知識が活きる会社へ
希望を書いていないどこでも良いと見えるやりたい工程を明記する

2つ目は、SIer出身者に特有のつまずきです。管理と調整が中心だった人が、実装中心の求人に応募すると通りにくくなります。悪いのは経験ではなく、狙いどころです。

もう1つ見落としやすいのが、応募の数です。書類選考の通過率は一般に2割から3割ほどで、5社に応募して通らないのは珍しいことではありません。原因を探す前に、まず10社前後まで応募を増やしてみる価値があります。

管理と調整の経験は、書き方で価値が変わる

「進捗管理を担当」だけでは、何をしていたのか伝わりません。人数、期間、決めていたこと、問題が起きたときの対応まで書くと、判断できる人だと分かります。

たとえば、10人規模の案件で、仕様変更の優先順位を決め、遅れが出た際に機能を削る判断をした。ここまで書けば、任せられる範囲が具体的に伝わります。

ぼく

やったことではなく、決めたことを書く。これだけで通過率は変わります。

職務経歴書は、決めていたことが伝わる形に

応募する前に見直す5点

応募する前に、次の5つを確認してください。

  • 担当した工程を、要件定義から順に明記しているか
  • 案件の規模(金額、人数、期間)を書いているか
  • 自分が決めていた範囲を書いているか
  • 数字で示せる成果があるか
  • 志望する工程と、その理由を書いているか

4つ目は、無理に作らなくて構いません。障害の件数が減った、確認の時間が短くなった、といった小さな改善で十分です。

5つ目は、意外と抜けます。応募先ごとに書き分けるのが理想ですが、難しい場合は「設計から関わりたい」といった一文を加えるだけでも変わります。

最初の3行に、要約を置く

最初の数行で読み手の印象が決まります。要約を先に置いてください。

書くのは3点です。経験年数と業務領域、担当してきた工程、いちばん大きな案件の規模。これを3行でまとめます。

この要約があると、読み手は全体像をつかんでから詳細を読めます。逆に、いきなり案件の羅列から始まると、何ができる人か分からないまま読み進めることになります。

書き方の違いを、具体例で見る

抽象的な書き方だと、何ができる人か伝わりません。違いを比べてみます。

よくある書き方伝わる書き方
進捗管理を担当10人規模の案件で、週次の進捗確認と、遅延時の機能削減の判断を担当
ベンダー管理3社の業者に対し、見積もりの妥当性確認と検収を担当(年間予算8000万円)
要件定義に参加利用部門への聞き取りを担当し、要件を40項目に整理。優先順位を顧客と合意

右側の書き方には、規模と、自分が決めていたことが入っています。この2つがあるだけで、採用側は任せられる範囲を判断できます。

数字が出せない場合は、状況を具体的に書いてください。仕様変更が多かった、途中で人が抜けた、といった条件が分かると、その中で何をしたかが伝わります。

案件を並べるときは、新しいものから3件までに絞ります。古い案件を細かく書くより、直近の経験を厚く書くほうが、いまの実力として読まれます。

経験が活きる応募先の選び方

応募先ごとに、評価されること

SIerの経験は、選ぶ先によって評価が大きく変わります。

応募先評価されること通りやすさ
事業会社の社内SE業務知識、業者との調整高い
元請けの別のSIer上流の経験、規模感高い
ITコンサル課題の整理、提案中くらい
自社開発実装力、技術の追いかけ方経験しだい
パッケージや製品の会社導入の経験、業務理解高い

通りやすいのは、業務知識が武器になる会社です。金融、製造、公共など、担当してきた業界と同じ領域を扱う会社を選ぶと、書類の段階から評価されます。

逆に、実装の経験が浅いまま自社開発の会社に応募すると、技術面で比較されて不利になります。SE転職に強い転職エージェントのまとめで、経験に合う求人を出してもらうほうが早道です。

譲れない条件から、候補を絞る

求人サイトを眺めるだけでは、候補が絞れません。条件から逆算して探すと、効率が上がります。

最初に決めるのは、譲れない条件を3つだけです。勤務地、残業の上限、担当したい工程。この3つを決めると、候補は自然に絞られます。年収は、この3つを満たす求人の中で比べれば十分です。

次に、業務知識が活きる業界を選びます。金融を担当してきたなら、金融の事業会社や、その業界を得意とする元請けが候補です。同じ業界であれば、専門用語の説明も不要で、話が早く進みます。

3つ目に、相談先を2社使って同じ条件を伝えます。担当者によって紹介される求人が違うため、比べると相場の幅が見えてきます。

応募先に、優先順位をつける

限られた時間で進めるには、応募先に優先順位をつける必要があります。

最優先は、業務知識が活きる会社です。同じ業界の事業会社や、その業界を得意とする元請けが該当します。書類の通過率も高くなります。

次が、上流の経験を評価する会社です。要件定義や調整の経験は、規模の大きい案件を扱う会社で歓迎されます。

実装中心の求人は、経験によっては後回しで構いません。通過率が下がるため、時間の使い方としては効率が落ちます。

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年代別の、現実的な進め方

年齢によって、企業が見るところが変わります。

年代通りやすい先意識すること
20代自社開発、事業会社伸びしろを示す
30代社内SE、元請け、ITコンサル決めていた範囲を示す
40代業務知識が活きる会社マネジメントの実績を示す

20代は、伸びしろを見られます。実装の経験が浅くても、学ぶ姿勢と基礎があれば採用されます。この時期は、業種をまたぐ転職も現実的です。

30代は、任されていた範囲が問われます。要件定義や管理の経験があれば、元請けや事業会社への移動が通りやすくなります。逆に、実装だけを続けてきた場合は、選べる範囲が狭まります。

40代は、業務知識とマネジメントが評価の中心です。未経験の分野に挑むのは難しくなりますが、同じ業界の事業会社であれば、発注する側の担当者として歓迎されることが多くあります。

自社開発の会社に応募するなら、準備しておくこと

SIerで管理や調整が中心だった人が自社開発の会社を目指す場合、書類と面接で技術の話を避けて通れません。経歴だけで勝負しようとすると、実装の経験が多い応募者と比べられて不利になります。

準備として効果が大きいのは、小さくても自分で作ったものを1つ用意することです。業務で使ってきた言語で、身近な困りごとを解決する道具を作り、公開しておきます。完成度より、なぜその作りにしたかを説明できることが大切です。

学んでいる内容を記録に残すのも有効です。週に1回、試したことと詰まったことを短く書くだけで、学び続けている証拠になります。面接では、その記録を見せながら話すと具体的に伝わります。

そのうえで、業務知識を組み合わせて応募先を選んでください。金融の経験があるなら金融サービスを作る会社、物流の経験があるなら物流の仕組みを扱う会社を選ぶと、技術の差を業務の理解で補えます。

応募の順番にも、こつがある

第一志望からいきなり受けると、面接に慣れないまま本番を迎えることになります。

おすすめは、条件が近い会社を2社ほど先に受けて、質問の傾向をつかむ方法です。よく聞かれる内容が分かれば、本命の準備がしやすくなります。

ただし、間隔を空けすぎると最初の会社の選考が進んでしまいます。2週間ほどの幅に収める程度で十分です。

面接で聞かれることと、答え方

SIer出身者が聞かれる、5つの質問

SIer出身者が必ず聞かれる質問があります。準備しておくと落ち着いて答えられます。

  • 担当した案件で、自分は何を決めていたか
  • 技術的な判断をした経験はあるか
  • 手を動かす仕事にどこまで関われるか
  • なぜ転職したいのか
  • 入社後にやりたいこと

3つ目は、実装から離れていた人にとって答えにくい質問です。素直に、直近は管理が中心だったと伝えたうえで、学び直す姿勢と過去の経験を話すほうが印象は良くなります。

読者の方

ブランクを正直に言っても大丈夫ですか。

ぼく

隠すより誠実です。どう埋めるつもりかまで話せれば問題ありません。

「なぜこの会社か」と、答えに詰まったとき

「なぜこの会社なのか」と聞かれたら、業務領域の共通点を挙げるのが無難です。金融の経験があるなら、その知識をどう使いたいかを具体的に話します。

答えに詰まったときは、分からないことを持ち帰って回答する姿勢も評価されます。取り繕うより、誠実さのほうが伝わります。

志望動機は、3段で組み立てる

志望動機が弱いと、条件だけで選んでいる印象になります。作り方の型を示します。

型は3段です。これまで担当してきたこと、そこで感じた課題、その課題を解決できる環境として御社を選んだ理由。この順に話すと、一貫した説明になります。

課題の部分は、会社への不満ではなく、働き方や役割の希望として表現してください。同じ事実でも、印象が変わります。

転職活動の記録を残す

複数社を並行して受けると、内容が混ざります。記録をつけておくと、面接の質も上がります。

  • 応募日と、選考の段階
  • 求人票に書かれていた条件
  • 面接で聞いた内容と、返ってきた答え
  • 気になった点と、確認したいこと
  • 比較のための優先順位

3つ目は、内定後の比較で役立ちます。記憶だけで判断すると、印象の強い会社に引っ張られます。

転職活動を、生活と両立させる

在職しながら進める場合、体力の配分が重要です。無理をすると、面接の質も落ちます。

面接は週に2社までに抑え、同じ日に固めないでください。話す内容が混ざり、印象が薄くなります。日程の調整は相談先に任せると、負担が大きく減ります。

また、活動の期限を決めておくと消耗しません。3か月やってみて結果が出なければ、条件や応募先を見直す。この形にすると、気持ちの整理もつきます。

通らない状態が続くときの立て直し

やり方を変える、5つの手順

応募を重ねても通らない場合、やり方を変える必要があります。

応募先を見直す

業務知識が活きる会社に絞ります。

経歴を書き直す

決めていた範囲と数字を足します。

相談先を増やす

2社以上に登録し、書類を見てもらいます。

条件を1つ緩める

勤務地か年収のどちらかを緩めると、候補が増えます。

期間を区切る

3か月で見直す前提にすると、消耗しにくくなります。

相談先は、2社から3社に増やす

1社だけに相談すると、その会社が扱う求人の中でしか比べられません。同じ経歴でも、紹介される求人の傾向は会社ごとに違います。

2社から3社に登録して、同じ条件を伝えてみてください。求人の幅が広がるだけでなく、担当者によって書類の見方も違うため、経歴書の改善点も見えてきます。

相性もあります。話しやすい担当者に当たるかどうかで、活動の進み方は変わります。合わないと感じたら、遠慮せず担当の変更を頼んで構いません。

書類で落ちた理由を、次の応募に生かす

不採用が続くと落ち込みますが、理由を集めると次の応募の精度が上がります。転職エージェント経由で応募した場合は、担当者に見送りの理由を聞いてください。企業から返ってきた言葉をそのまま教えてもらえることがあります。

返ってきた理由考えられる原因次にやること
経験が合わない求人の要件とずれている業務知識が活きる会社に絞る
実装の経験が足りない開発職に応募している上流や社内SEの求人を増やす
他の候補者を優先経歴の書き方で差がついた決めていた範囲と数字を足す
年齢とのバランス期待される役割と合っていない管理や調整の実績を前に出す

理由が3件ほど集まると、共通する傾向が見えてきます。同じ理由が続くなら、そこが直すべき場所です。

内定が出たあとに、迷ったときの決め方

複数の内定が出た場合、条件を並べて比べてください。感覚で決めると後悔しやすくなります。

比べるのは、担当する工程、常駐の有無、月の残業、通勤時間、年収の5点です。この順で見ると、生活への影響が大きい順に判断できます。

年収が高くても、残業が月40時間増えるなら、時間あたりでは下がります。数字で並べると、判断がぶれません。

退職を伝えるときに、引き止められたら

SIerでは、人が抜けると案件に影響が出るため、引き止めが強くなることがあります。給与を上げる、担当を変える、といった条件を出されることもあります。

判断の基準は、その条件が書面になるかどうかです。口頭の約束だけでは、数か月後に立ち消えになることがあります。条件を出されたら、時期と内容を文章で確認してください。

また、引き止めで残った人が、その後も同じ不満を抱えるケースは少なくありません。辞めたい理由が待遇だけなら検討の余地がありますが、担当する工程や働き方が理由なら、条件を変えても解決しません。

よくある質問

SIerから転職できないと聞きますが、本当ですか

経験の伝え方と応募先の選び方で結果が変わります。業務知識が活きる会社では歓迎されます。

実装経験が少なくても大丈夫ですか

社内SEや元請け、パッケージの会社なら問題ありません。自社開発は経験しだいです。

30代後半でも間に合いますか

間に合います。業務知識とマネジメントの実績が評価されます。

資格は必要ですか

必須ではありません。担当した案件の説明のほうが重視されます。

在職中に活動する時間が取れません

日程調整を任せられる相談先を使うと、負担がかなり減ります。

まとめ

通らない原因は、経験の不足ではなく伝え方にあります。

  • 担当した工程と、決めていた範囲を明記する
  • 案件の規模を数字で書く
  • 業務知識が活きる会社を選ぶ
  • やりたい工程を、応募先ごとに書く
  • 3か月で見直す前提で進める

SIerで積んだ経験は、選ぶ先さえ間違えなければ確実に評価されます。まずは、決めていた範囲を書き出すところから始めてください。

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