SEの資格は意味ないのか|効く場面と、取るべき人・後回しでいい人

読者の方

SEの資格って、意味ないと言われますよね。勉強する時間がもったいない気がして…

ぼく

効く場面と効かない場面がはっきり分かれます。そこを知ってから決めれば大丈夫ですよ。

SEの資格は意味がない。この意見が広まるのは、現場の評価が資格ではなく実務で決まるからです。ただ、資格がまったく効かないかというと、そうではありません。効く場面が限られているだけです。

結論から言うと、資格は「社内の手当」「転職の書類選考」「会社が案件を取るとき」の3つで効きます。反対に、日々の仕事の評価にはほとんど影響しません。

この記事では、意味がないと言われる理由、実際に効く場面、取るべき人と後回しでいい人、そして短い時間で取るための順番を説明します。

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目次

意味がないと言われる3つの理由

まず、なぜこう言われるのかを整理します。どれも一理あります。

理由実際のところ補足
資格があっても実務ができない本当現場は成果物で判断する
資格がなくても評価される人がいる本当経験が長ければ資格は不要なことも
資格の内容が古い一部本当基礎の部分は変わらない

3つ目は誤解も含まれています。試験の範囲には古い技術も残りますが、仕組みの考え方そのものは長く使えます。とくに情報処理技術者試験の基礎部分は、いま学んでも無駄になりません。

大事なのは、資格を取ること自体を目的にしないことです。何のために取るのかが決まっていれば、意味がないという話にはなりません。

資格が実際に効く3つの場面

効く場面ははっきりしています。当てはまるなら、取る価値があります。

  1. 会社の資格手当や、一時金がもらえる
  2. 転職の書類選考で、基礎の証明になる
  3. 会社が案件を取るときの、人数要件に使われる

1つ目は、金額がはっきりしているぶん分かりやすい効果です。月に数千円でも、年間では数万円になります。上位の資格になると、一時金が10万円を超える会社もあります。

2つ目は、経験が浅いときほど効きます。実務の実績が少ない場合、基礎を学んでいる証明になるためです。未経験や1年目からの転職では、書類の通りやすさが変わります。

3つ目は、会社の都合ですが、本人の評価にもつながります。入札や大きな案件で有資格者の人数が条件になることがあり、そこに名前が載る人は社内で重宝されます。

自分の会社に手当があるかどうかは、就業規則か人事に確認すれば分かります。制度があるのに知られていない会社も多いです。

取るべき人と、後回しでいい人

同じ資格でも、状況によって優先度が変わります。

状況おすすめ理由
未経験や1年目取る基礎の証明になり、書類が通りやすい
転職を考えている取る経験が浅い分野を補える
いまの案件が忙しい後回し実務の理解が先。落ち着いてからで十分
経験10年以上必要な分だけ経歴のほうが評価される
手当がない会社転職用に絞る社内での見返りは期待しにくい

忙しい時期に無理に取ろうとすると、どちらも中途半端になります。残業が多い状態なら、まずは働き方を整えるほうが先です。

どの資格を、どう選ぶか

まず目的を1つ決める

資格の勉強が続かない人の多くは、目的を決めていません。目的によって、選ぶ資格も勉強の深さも変わります。

目的向いている資格力の入れ方
手当を得たい会社の対象一覧から選ぶ合格点を目指す
転職で基礎を示したい基本情報、応用情報過去問中心
単価を上げたい高度区分、製品の認定業務と結びつけて学ぶ
業務の理解を深めたい担当分野の専門区分範囲を絞って深く

目的が決まると、勉強する範囲も決まります。全範囲を完璧にする必要はなく、合格に必要な部分に絞れば時間は半分で済みます。

迷ったときの順番

迷ったときの順番を示します。上から順に、費用と時間に対する効果が高いものです。

1つ目

基本情報技術者。用語と仕組みの共通語が身につきます。会話が通じやすくなります。

2つ目

応用情報技術者。設計や管理の考え方が入ります。手当の対象になる会社も多いです。

3つ目

担当分野の専門資格。データベース、ネットワーク、セキュリティなど、いまの業務に近いものを選びます。

4つ目

上位の区分や、外部の製品資格。案件の要件や、年収の交渉材料として効きます。

順番を飛ばしても構いませんが、基礎を先に入れておくと、専門分野の学習が短時間で済みます。

資格の勉強を理由に、担当業務の理解を後回しにしないでください。面接で見られるのは、資格の一覧ではなく、担当した案件の説明です。

自分の会社が求めている資格を調べる

会社によって、評価される資格は違います。手当の一覧を見れば、その会社が何を重視しているかが分かります。

  • 就業規則や社内の制度で、手当の対象一覧を確認する
  • 上司や先輩が持っている資格を聞く
  • 案件の提案書で求められている資格を確認する
  • 昇格の条件に資格が入っているかを調べる
  • 受験費用の補助があるかを確認する

4つ目は見落とされがちです。昇格の条件に資格が入っている会社では、取らないままでは役職が上がりません。逆に、条件に入っていない会社では、手当の額だけで判断して構いません。

ぼく

制度を知らずに独学で高い資格を目指す人もいますが、まず社内の一覧を見るほうが先です。

資格ごとの勉強時間の目安

時間の見当がつかないまま始めると、途中で投げ出しやすくなります。働きながら取る場合の目安を並べます。

資格勉強時間の目安向いている時期
基本情報技術者100〜150時間1年目から3年目
応用情報技術者200〜250時間3年目以降
データベースやネットワークの専門区分150〜250時間担当分野が固まってから
製品ごとの認定30〜80時間案件で使う前

表の時間は、実務の経験がある人の目安です。未経験の分野から始める場合や、長く勉強から離れている場合は、1.5倍ほどを見込んでおくと計画が崩れにくくなります。

基本情報なら、1日1時間で3か月から4か月が現実的です。休日にまとめてやるより、平日に短い時間を積むほうが定着します。

専門区分は、担当している分野を選ぶと勉強時間が短くなります。業務で毎日触れている内容は、覚え直す必要がないからです。反対に、未経験の分野を選ぶと、同じ資格でも倍の時間がかかります。

1つでも当てはまるなら、一度相談しておくと安心です

  • 今の年収が、同じスキルの人より低い気がする
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働きながら合格するために

細切れの時間で、勉強時間を作る

働きながら取る人が多いので、時間の作り方が鍵になります。

  • 通勤時間を、過去問だけにあてる
  • 昼休みの15分を、用語の確認にあてる
  • 休日は2時間まで。長時間はかえって続かない
  • 試験日を先に申し込み、逆算する
  • 分野ごとに区切り、完璧を目指さない

4つ目が効きます。日程が決まると、やる量が自然に決まります。申し込みをせずに勉強を始めると、いつまでも準備が続いてしまいます。

まとまった時間を取ろうとすると、忙しい週に計画が崩れてそのまま止まりがちです。15分や30分の細切れの時間を毎日積み上げる形にしておくと、残業が多い週があっても続けやすくなります。

読者の方

残業が多くて、平日は本当に時間が取れません。

ぼく

その状態なら、まず環境を整えるのが先です。学ぶ時間がない職場は、それ自体が問題ですから。

受験にかかる費用と、会社の支援

費用の負担も判断材料になります。事前に確認しておきましょう。

  • 受験料の補助があるか
  • 不合格の場合も補助されるか
  • 教材費の支援があるか
  • 合格時の一時金の有無
  • 勤務時間中の受験が認められるか

3つ目まで支援がある会社なら、挑戦しやすい環境です。制度があるのに使われていない場合もあるので、人事に確認してください。

支援がない会社でも、転職市場での価値は残ります。自己負担で取るかどうかは、目的と照らして判断してください。

落ちたときの立て直し方

不合格になると、意味がなかったと感じてしまいます。ただ、勉強した内容は残ります。立て直し方を決めておくと、次につながります。

1週間は休む

試験の直後に詰め込み直しても、頭に入りません。いったん離れます。

間違えた分野だけを見直す

全部をやり直す必要はありません。落ちた原因は、たいてい2つか3つの分野に集中しています。

次の日程を決める

半年後の試験に申し込み、逆算して計画を立てます。

業務で使う場面を探す

学んだ内容を担当業務に当てはめると、記憶が定着します。

2回目で合格する人は多いです。1回で受からなかったことを、向いていない証拠だと受け取る必要はありません。

資格より強い材料を、あわせて積む

転職や年収交渉で、資格より効く3つの材料

転職や年収の交渉では、資格より強い材料があります。

  1. 担当した工程の広さ
  2. 案件の規模と、自分が決めていた範囲
  3. 障害や遅れを立て直した経験

とくに2つ目が効きます。見積もりを出していた、機能の優先順位を決めていた、といった内容は、そのまま単価の根拠になります。年収が上がらない理由も、ここで説明がつきます。

資格は、これらを補うものと考えてください。材料が少ないときほど、資格の効果は大きくなります。

時間が限られているなら、先に積みたい3つの経験

時間が限られているなら、資格より先に積んでおきたい経験があります。

  1. 要件定義や設計に関わる経験
  2. 障害の原因を切り分けた経験
  3. 人に教えた経験

どれも、職務経歴書に書けて、面接でも具体的に話せる内容です。資格は書類の一行ですが、これらは会話が広がる材料になります。

資格を取るなら、この3つと組み合わせてください。担当業務に近い資格を選ぶと、実務の理解も同時に深まります。

資格がなくても評価される人の特徴

資格を持っていなくても、社内で頼られている人がいます。共通点は3つです。

ひとつは、説明が分かりやすいこと。仕様や不具合の内容を、相手に合わせた言葉で説明できる人は、必ず重宝されます。

もうひとつは、記録を残していること。調べた結果や判断の理由を残す人は、組織にとって欠かせない存在になります。

3つ目は、期限を守ること。当たり前に見えて、これができる人は多くありません。信用は、この積み重ねから生まれます。

取ったあとに、効果を大きくする

取ったあとにやる5つのこと

取っただけで終わると、効果は半分になります。

  • 社内の申請を出して、手当を受け取る
  • 職務経歴書と応募先の情報に追記する
  • 学んだ内容を、担当業務に当てはめてみる
  • 次に取る資格と時期を決める
  • 合格証の写しを保管しておく

3つ目が、いちばん実務に効きます。学んだ設計の考え方を、担当しているシステムに当てはめて見直すと、改善点が見つかることがあります。そこまで進めば、資格は意味がないという話にはなりません。

資格の勉強が、実務に効く瞬間

資格の勉強は無駄だと言われがちですが、実務で効く場面ははっきりあります。ひとつは、障害対応のときです。仕組みの基礎を知っていると、原因の当たりをつける速さが変わります。

もうひとつは、設計の判断をするときです。なぜこの方式を選ぶのかを説明する場面では、教科書的な基礎が土台になります。感覚ではなく理由で話せる人は、上流の工程に呼ばれやすくなります。

資格そのものが評価されるというより、勉強の過程で身についた基礎が効いてきます。そう考えると、取るかどうかの判断もしやすくなります。

学んだ内容を、業務に還元する

勉強した内容を業務に当てはめると、定着が早くなり、成果にもつながります。

たとえば、性能に関する範囲を学んだら、担当しているシステムの遅い処理を見直してみる。安全に関する範囲を学んだら、いまの設定を確認してみる。学んだ直後に試すと、記憶に残ります。

この流れができると、資格の勉強が業務改善の提案につながります。評価面談でも話せる材料になり、取っただけで終わりません。

忘れないための工夫

合格しても、使わなければ内容は抜けていきます。残す工夫を挙げます。

効果があるのは、学んだ内容を業務の言葉に置き換えてメモしておくことです。試験の用語のままでは、実務で思い出せません。

また、後輩に説明する機会を作ると定着します。人に教えられる状態まで来ると、面接でも具体的に話せるようになります。

未経験からの転職で効く順番

経験が浅い時期は、資格の効果がいちばん大きくなります。ただし、取る順番を間違えると時間が無駄になります。

  1. 基本情報技術者を取り、基礎を示す
  2. 応募先の業務に近い製品の認定を取る
  3. 余裕があれば応用情報に進む

1つ目で足切りを避けられます。未経験を採用する会社では、応募者の意欲を測る材料が少ないため、資格が判断に使われることがあります。

2つ目は、応募先が決まってから取るのが効率的です。求人票に書かれている技術の名前を見て、それに対応する認定を選ぶと、面接での話も具体的になります。

経験が浅く不安を感じている場合は、資格を取る過程そのものが自信につながることもあります。

資格を年収の交渉に使う方法

資格だけで年収は上がりませんが、交渉の材料としては使えます。使い方にはこつがあります。

効くのは、案件で求められている資格を持っている場合です。会社が受注の条件として有資格者を必要としているなら、その価値は説明しやすくなります。面談のときに、案件名と条件を添えて伝えてください。

一方で、業務と関係のない資格をいくつ並べても、金額の話にはつながりません。交渉に使うなら、いまの案件や、これから任されたい役割に近いものを選ぶことが前提になります。

資格が評価につながらない会社もある

取っても何も変わらない、という声もあります。その場合、会社の制度を確認してください。

手当の対象になっていない、昇格の条件に入っていない、単価の交渉材料にしていない。この3つがそろっている会社では、社内での効果は期待できません。

ただし、転職市場での価値は残ります。とくに経験が浅い時期は、基礎を学んだ証明として書類選考で効きます。社内で評価されないことと、資格に意味がないことは別の話です。

よくある質問

基本情報は取る意味がありますか

経験が浅いうちは意味があります。用語が通じるようになり、書類選考でも基礎の証明になります。

資格より実務経験のほうが大事ですか

その通りです。ただし、経験が浅い時期は資格が補いになります。

資格手当はどのくらいもらえますか

会社によりますが、月数千円から、上位資格で一時金が出る場合もあります。就業規則で確認してください。

転職のときに、資格はどのくらい見られますか

書類選考で見られます。面接では、担当した案件の説明のほうが重視されます。

取ったのに評価されません

社内で評価されない場合でも、転職市場では材料になります。経歴と合わせて使ってください。

まとめ

資格は、効く場面を知って使えば無駄になりません。

  • 効くのは、手当・書類選考・案件の要件の3つ
  • 経験が浅いほど、資格の効果は大きい
  • 忙しい時期は、実務の理解を優先する
  • 基本情報から順に取ると、後が楽になる
  • 資格より、担当した工程と決めた範囲のほうが強い材料になる

意味がないと言われるのは、目的を決めずに取る場合です。何のために取るのかがはっきりしていれば、時間の使い方としては悪くありません。

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